雲の写真の後から僕たちは毎日話すようになった、LINEで。
直接はやっぱりだめだ。目があってもすぐに逸らしてしまう。
話しかけてくれても、うまく返事できない。
帰りの号令が終わったあと、後ろの方から聞き慣れた声が聞こえた。
由衣といつもと変わりない会話をしていたら由衣が急に誰かに話しかけた。
櫻井さんか。そうえば席、前後になってたな。
目があった。
返事、できなかった。わざわざ ふたり って言ってくれたのに。
そのまま、いつもつけているヘッドホンを耳につけ、櫻井さんは教室を後にした。
なにをそんなに戸惑ってるんだよ。
恋じゃない。別に好きじゃない。ただ気になる。
僕はスマホを手に取り、LINEを開いた。
どうゆう意図で言っているのだろうか。
僕のことが好きなのか?いやいや、そんな滅相もない。
櫻井さんは交友的な子だ。誰にでも僕と同じ接し方なはず。
でも、うれしい。
どうしよう。
由衣の言っていたことが現実になってしまいそうな気がする。
いや、まて。僕はただ慣れていないだけだ。
由衣以外の異性と話すことに。だから変な感じがするだけだ、多分。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!