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第1話

- 世界観1 -
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2025/06/22 04:54 更新
▍世界観

人類が自らの利益と信条のために争い続けていた世界大戦の最中、突如として観測された未曾有の現象。それが『燼血じんけつ』である。

空から降り注ぐ灰、地を汚す黒き血、腐蝕と鋼を孕んだ異常な鉄。それらはまるで人類の業と怨念が物質化したかのように蠢き、やがて"敵意そのもの”として具現化した存在を生んだ。

そう形容された異形の存在たちは、人類が築いた文明を瞬く間に蹂躙し始めたのであった。
燼血じんけつ
この現象により現れた敵性存在を、世界は総称して燼血と呼ぶ。

● 特徴
・感情を持たず、ただ破壊と殺戮に向かう
・物理攻撃に対して耐性を持ち、兵器が効かない個体も存在
・一部個体は人間の記憶や姿を模倣する能力を持つ
・灰、血、鉄といった汚染された物質を周囲に撒き散らし、環境をも変質させる

● 起源
その正体は不明。ただし、戦争によって無念の死を遂げた人々の“怨念”が媒介となっているという説が有力とされている。もはや自然災害や疫病とは異なる、精神的な災厄そのものといえる。
▍ 世界情勢

燼血の出現は、長年争っていた国家や陣営をもってしても、一瞬で共通の敵と化した。

結果、歴史的な転換点が訪れる。

● 各国の対応
・敵対していた陣営同士は、急速に停戦/休戦/和平交渉を開始
・諸国は防衛協定を締結し、超国家的軍事協力体制を敷く
・民間人の避難区画と、前線都市の再編が急速に進む
半燼血はんじんけつ

それは、人類が滅びに抗うために造られた最後の手段。
そして同時に、人でありながら人でなくなる存在。

● 定義
半燼血とは、燼血の出現に対抗すべく各国が開発・生産した異能兵士である。彼らは生身の人間に特殊な血因子・術式構造を移植することで、血戦術と呼ばれる超常的能力を操ることが可能となっている。

肉体・精神ともに変質しており、
人類でありながら、“燼血に最も近い存在”とも称される。


● 適正判定

半燼血になるには、まず燼血由来の血液因子(通称:原血)を体内に取り込む必要がある。しかし、これは極めて危険な処置であるため、事前に厳格な審査が行われる。

【ステップ①:血液適合検査】
・血液内の免疫構造・精神因子・遺伝情報を分析
・原血との適正率が一定以上の者のみが「転化適正者」として認定される。

【ステップ②:汚染耐性試験】
・原血を投与することで生じる精神的/身体的影響(汚染)への耐性を検査
・血液中の神経導線/思考抑制反応/再生応答を測定
・耐性のない者は、原血に触れた時点で即死または燼血化する

この検査に合格した者だけが、晴れて半燼血への転換処置(血因子注入)を受ける資格を得る。


● 異能発動の代償
彼らが血戦術を発動したとき、身体は異形へと“変調”する。
それは能力による力の代償であり、人間としての限界を超えるための証明でもある。

反転目アンヴェルス・アイ
・血戦術の起動時、瞳が大きく変質する
・瞳孔の形状や虹彩の色が変わり、白目が黒く染まる個体も存在
・これは血因子が活性化し、脳と神経系に異常な出力がかかるために起きる

浮出血管ブラッドライン
・目の周囲、特に瞼・頬骨・こめかみにかけて、深く黒紫の血管が浮き出る
・これは血戦術の力が通常の血流を超えて脳へ流れ込むことによる副作用
・使用強度が高まるにつれ、顔全体・首筋・胸元にまで広がり、出血症状を伴うこともある。

「その目になったら、もう止まらない」
「“血に囚われた兵士”──それが俺たちだ」

この外見変化は、敵にとっては恐怖そのものであり、味方にとっては戦慄と敬意の象徴である。

● 超回復能力
半燼血の肉体は、原血の作用により通常の人間とは異なる構造を持つ。

・骨の硬度、筋力、神経伝達速度などが人間の十数倍
・臓器が破壊されても、短時間で再生する
・脳損傷/四肢欠損も、一部個体では再構築可能

だが、それでも彼らは不死ではない。


汚染コラプス
どれほどの力を持っていても、半燼血は“完全”ではない。
その最大の脅威が汚染である。

原血により構成された血液が制御を逸脱し、自己同化・自壊作用を始める現象。発症すると半燼血は制御不能に陥り、やがて燼血そのものへと変異していく。

汚染発症の主な原因として

1.血液保管庫の枯渇
→ 特殊血液を安定供給できない状態が続くと、制御不能に
2.精神構造の崩壊
→ トラウマ・喪失・恐怖などによる精神的限界
3.血戦術の過剰使用
→ 一定回数・強度を超えた発動は、身体に“燼血化反応”を引き起こす
▍ 強国
かつて、世界は思想と国家の対立によって、二分されていた。
その構図は、民主と独裁、自由と統制、資本と軍事といった複数の対立軸に彩られ、世界規模の戦争を引き起こしていた。

しかし、燼血という新たな共通の敵の出現により、
その対立は意味を失った。

今、かつての宿敵たちは、共に生き残るために支え合っている。


《レッドアクシス陣営》
独裁と軍事力を背景に勢力を拡大していた、いわゆる“枢軸国”に連なる国家群。統制された社会構造と、国家への絶対忠誠を重んじる。

大日桜帝国だいにちおうていこく
(元ネタ:大日本帝国)
皇軍主義と精神論を基盤とする軍国国家。名誉と忠義を尊び、「死して護国」を是とする。現在も、規律と伝統を重んじる厳格な軍体制を維持。

第三鉄血黒十字帝国てっけつこくじゅうじていこく
(元ネタ:ナチス・ドイツ)
優越思想に基づく科学と軍事の狂信国家。兵器技術や人体実験による進化を追求し、冷酷無比な戦術が特徴。戦後は極端な思想を排し、現実主義的戦闘国家へと転身。

束桿王国そっかんおうこく
(元ネタ:イタリア王国)
王政と統一思想のもと、劇場的な政治と象徴的国家建設を推進した美学国家。文化と軍の融合を図り、現在は復興支援と兵站供給に力を注ぐ。

斧刃聖座ふじんせいざ
(元ネタ:ヴィシー政権)
戦乱の中で宗教的権威を背景に独自の秩序を築いた宗教軍政国家。敗戦後は統一教義の再編を図り、今は医療・祈祷による戦線支援を行う。


《ブルーユニオン陣営》
民主主義/自由思想を背景に、多民族/多文化の連帯によって成立した同盟国陣営。理想と現実の狭間で、互いに支え合いながらも独自の強さを持つ。

星条合衆国せいじょうがっしゅうこく
(元ネタ:アメリカ合衆国)
資本主義と自由主義の象徴。科学技術/経済力/航空戦力に秀でる超大国。現在も物資供給と技術支援の要として機能している。

北赤社会主義共和国連邦ほくせきしゃかいしゅぎきょうわこくれんぽう
(元ネタ:ソ連)
鉄の秩序と集産主義により成立した大陸の巨獣。冷酷だが合理的、圧倒的な陸戦能力と兵站管理を誇る。現在は緻密な指揮と戦線維持で他陣営を支える屋台骨。

白薔薇連合王国しろばられんごうおうこく
(元ネタ:大英帝国)
貴族文化と議会主義を融合させた大西洋の盟主。情報戦・海軍戦術・外交力に長けており、調停と通信網の要所を担う。

龍華民国りゅうかみんこく
(元ネタ:中華民国)
民族独立と内戦を超えて立ち上がったアジアの古国。山岳戦・遊撃戦に秀でた野戦戦術の老舗。今も士気高き兵士を送り出し続けている。

自由美虹教国じゆうびこうきょうこく
(元ネタ:自由フランス)
亡命政権から出発し、芸術と革命を重んじる反骨の国家。今は文化再建と市街戦術に特化した部隊を持ち、他国との連携に柔軟な支援を行っている。
▍ 言語について

● 白薔薇連合王国(大英帝国)
言語名:白系薔薇語
特徴:イギリス英語ベースの格式ある発音。
発音は明瞭で、“r”を巻かず、丁寧な語彙が多い。敬語的言い回しや婉曲表現を多用する。

● 星条合衆国(アメリカ合衆国)
言語名:黒系薔薇語
特徴:アメリカ英語ベース。カジュアルかつ率直。
短縮語やスラングを好み、“r”を強く発音する。実用性を重視する。

● 北赤社会主義共和国連邦(ソビエト連邦)
言語名:北赤語
特徴:ロシア語に近い語感。子音が多く、低く響く発声。
命令調や断定形が多く、語尾は鋭い。

● 大日桜帝国(大日本帝国)
言語名:日桜語
特徴:古語と現代日本語の混合。格式ばった言い回しや敬語文化が色濃い。

● 束桿王国(イタリア王国)
言語名:束桿語
特徴:イタリア語由来。語尾が伸び、抑揚が豊かで陽気な印象。感情の強調が多く、会話のテンポも早い。

● 斧刃聖座(ヴィシー政権)
言語名:聖座語
特徴:古典フランス語風。語彙は優美で宗教語彙が多い。声調は静か。

● 龍華民国(中華民国)
言語名:龍華語
特徴:北京語ベース。四声による高低差があり、文末に決意を込める語調が多い。
格言や故事成語を重んじる。

● 自由美虹教国(自由フランス)
言語名:美虹語
特徴:自由フランス系フランス語+レジスタンス隠語。
音韻が美しく、詩的かつ比喩に富む。感情の起伏も激しい。

● 第三鉄血黒十字帝国 (ナチス・ドイツ)
言語名:鉄血語
特徴:ドイツ語ベース、子音が硬く重く響く発音、命令形が多く、文法は極めて規律的、動詞や名詞に軍用語由来の単語が頻出。

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