第5話

彼シャツしてみた
196
2025/06/02 11:34 更新
ナムギュがシャワーから戻ると、あなたが彼の大きめのシャツを一枚羽織って、何気ない顔でベッドに座っていた。



「……おい。」


ドアの前で、彼の足が止まった。


濡れた髪から滴る水をタオルで拭きながら、じっとあなたを見下ろす。


「それ……俺のだよな?」


声は低い。

鋭く刺すようなトーン。

けれど、その目は――明らかに泳いでいた。


あなたが何気なく「朝寒かったから、勝手に借りた」と言うと、ナムギュの喉がごくりと鳴る。

すぐに口元を手で隠して、わざとらしくため息をついた。


「……お前、わかっててやってんだろ?」


言葉はいつも通り生意気。


だけどその視線は、シャツのすそや開いた首元を何度も行き来している。


「……何その顔。」

「自覚ねぇの?そんな事しといて?」


シャツの袖からちらりと覗く手首、襟元から見える素肌。


普段は他人に強く出るナムギュも、さすがにこれは想定外だったようで。


あなたが少し微笑んで「似合ってる?」と訊けば、ナムギュはわずかに目を細めて、一歩近づいてくる。


「……似合ってる。」

「つーか、やばい。」


「見んなって言われても無理。」


ほんの一瞬、正直な声が漏れる。

そのあとすぐ、顔をそらしてごまかした。


「次それ着て出てったら、マジで止めるからな。」

「誰にも見せんな。わかった?」


少し低くなった声。

冗談っぽく見せかけて、その実は限界ぎりぎりの独占欲。


ナムギュは、言葉ではなんとか優位に立とうとするが、完全にペースを崩されている。
補足: ナムギュの心理


• 表面:驚き→照れ→苛立ちっぽい言動。だけど目はガン見してる。


• 内面:めちゃくちゃ嬉しい&動揺してる。独占欲MAX。「俺のもの」感が刺激されている。


• 行動:口では「やめろ」と言いつつ、最終的に止めない。むしろ「他には見せんな」と釘を刺す。

プリ小説オーディオドラマ