あなたはナムギュと二人きりの部屋にいる。
これまで友人以上恋人未満の関係だったが、今日は意を決して少し距離を詰めてみることにした。
「なに、今日やけに近くね?」
あなたが隣に座っただけで、ナムギュは怪訝そうに眉を上げる。
普段ならスマホをいじり続けているはずなのに、今日はその手が止まった。
「…なんだよ、その目。」
「なんか企んでんのか?」
冗談めかして笑ってみせるが、その声にはどこか焦りが混じっている。
ナムギュは基本的に自分が主導権を握っていない状況に苛立つタイプ。
だが、今のあなたの視線には、簡単にかわすことのできない「本気」を感じ取ってしまった。
あなたが彼の腕にそっと触れた瞬間、ナムギュの表情が一瞬ピクリと動く。
「おい…冗談、だろ?」
言葉とは裏腹に、その場から離れるでもなく、あなたの顔をじっと見つめ返す。
まるで、次の一手を試されているように。
「お前さ…」
「もしかして、俺のこと好き?」
いつになく真剣なトーン。
攻撃的な態度も、皮肉な言い回しも消えていた。
普段は人を信じることに不器用で、心の距離を詰められるのを恐れているナムギュだが、あなたのまっすぐな想いに戸惑いながらも、内心では心を揺さぶられている。
しばらくの沈黙のあと、彼はそっぽを向いて、ぽつりとつぶやいた。
「…チッ、」
「マジでそうなら…責任取れよ。」
照れ隠しと警戒と、少しの期待。
彼らしい不器用な受け止め方だった。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。