あなたはゆっくりと目を覚ました
ぼんやりとした瞳が俺を映し出し
数秒の間があったあと——
「……え?」
あなたは固まった
無理もない
だって彼女は俺の胸の上に乗るような体勢になって
いて、俺は片腕を枕にして余裕たっぷりに彼女を
見つめていたんだから
(可愛いな、この反応)
『おはよう、お姫様〜』
俺はにやりと笑ってみせた
『ずいぶんと積極的な寝起きだったけど、
俺としては嬉しかったぜ?』
あなたは「え?」とまだ状況が飲み込めないまま
ぽかんと口を開けている
「……何のこと?」
俺はわざとゆっくりと囁く
『寝ぼけながら俺に抱きついて「シリウス、好き」
って可愛く囁いてくれたこと!』
あなたの顔が一瞬で真っ赤になった
「なっ……!!?」
『しかも、すごく幸せそうな顔してたなぁ〜...
夢の中でも俺のこと好きって言ってたし』
あなたは一気に目を覚ましたように俺の胸から
飛び退こうとした
でも俺はそれを許さず、片腕で彼女の腰を捕まえる
『待てよ』
「ま、待ってじゃない!
シリウス、それ、本当なの!?」
『本当だよ。俺の耳はごまかせない』
あなたは顔を両手で覆い
信じられないというようにぶんぶんと首を振った
「そ、そんな……! 夢だと思って……!」
俺はその姿があまりにも愛おしくて
笑いを堪えながら彼女の手をそっと外した
『じゃあ、夢じゃなくて現実で言ってみて?』
あなたは一瞬息を呑んだ後真剣な瞳で俺を見つめる
「……シリウス、好き」
小さな声だけど、確かにその言葉は俺の心に響いた
胸が熱くなる
本当に、本当に待ち望んでいた言葉だった
でも——
『……待ってそれ、俺から言わせてくれないか?』
あなたは目を瞬かせた
俺はゆっくりと彼女の頬に手を添え
その美しい瞳をじっと見つめる
『ずっと好きだった』
真剣な声で伝えると
あなたは少し驚いたように目を見開いた
『最初は、ただ綺麗な子だなって思ってた
でも、話してみて、知れば知るほど惹かれて……』
『気づいたら、あなたに夢中になってた』
俺はあなたの頬に指を滑らせながら優しく微笑んだ
『あなたが鈍感すぎて俺は何度も悔しい思いした
でも……もう誤魔化さなくていい』
あなたの瞳が潤んで、微かに震える
『俺と付き合ってくれる?』
あなたは少しの間、呆然としたあと——
「……うん」
嬉しそうに微笑んだ
その瞬間、俺はもう我慢できなかった
ゆっくりと顔を近づけ、あなたの唇にそっと触れた
——柔らかい
ふわりと甘い香りがして
心の奥まで満たされるようだった
唇を離すと、あなたは顔を真っ赤にして
俺を見つめていた
『……ど、どうした?』
俺が微笑むと、あなたは俯いて小さな声で呟いた
「……ファーストキス.....」
『え?』
俺は思わず息を呑んだ
『……マジで?』
あなたは恥ずかしそうに小さく頷く
「今のがファーストキスだった.....」
(やばい……最高すぎる……!)
俺は堪えきれず
あなたの頬にもう一度キスを落とした
『……じゃあこれからは俺がたくさん教えてやるよ』
あなたはさらに真っ赤になりながらも
嬉しそうに微笑んだ
——俺の恋は、ようやく実った












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。