第20話

見えない重り
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2020/11/22 05:04 更新
あれからどのくらい経っただろうか。
時計は既に1という数字を指していた
ころんくん
ころんくん
ありがとね
かれん
かれん
いいよいいよw眠くないしw
予想していたとおり気づいたらみんなは爆睡していて家の片付けを手伝っているのは私だけだ



なんだかんだ言って無理やり起こして片付けさせないところとか、

きっとこの後も片付けて置いたからね?とかなにも言わずにみんなを家に帰すんだろう。

そういう小さなところで優しさを感じる。
なんてことを頭に浮かべながら中身のない缶を袋に入れる。
ころんくん
ころんくん
かれんが話したいって言うとは思ってなかった
静かだった部屋にいつものお兄ちゃんとは違った優しい声が響いた
ころんくん視点
かれん
かれん
お兄ちゃん、、
ころんくん
ころんくん
ん?
机を拭きながら耳を傾けた
かれん
かれん
、、、
しばらく黙ったあと震えた声でこういった
かれん
かれん
泣いてもいいですか?
顔を上げてかれんの顔を見ると、既に1粒の涙が頬を伝っていた
それでも彼女は涙をこらえているつもりのようで、上唇を強く噛んでいる
ころんくん
ころんくん
いいよ
僕はそう言って優しくかれんを抱きしめた
するとなにかから開放されたかのように
泣き出した
かれん
かれん
くうっ  ううっ うっうっ
かれん視点
ずっと苦しかった
色んなことがのしかかってきて、何を考えていても辛くて、どこにも逃げられなくて


ずっとずっと見えない重りが体についてるみたいに、動けなかった。
小さい頃からお兄ちゃんに抱きしめられて泣いている時は、苦しいことから全部解放された。
こういう時お兄ちゃんは、何があったの?とは聞いてこない。ただ私を優しく抱きしめて泣いていいよって言ってくれる
それも彼の優しさのひとつだ
止めようと思っても止められない涙は重りだったのだろうか
泣けば泣くほど体が軽くなる気がして
ひらすら泣いた
もうなんで泣いてるのかもわからなくなってくる。
身体中の水分が無くなるほど涙が出た
ころんくん
ころんくん
大丈夫だよ。
その言葉に何度救われたか
しばらくして泣き止んだ私の顔を見て
ハンカチで優しく拭ってくれた
かれん
かれん
ありがとう、
今できる最大限の笑顔でお兄ちゃんの顔を見る
ころんくん
ころんくん
うん、
彼も微笑む
ころんくん
ころんくん
ちょっとコンビニ行ってくるわ
私の頭をポンポンとしてから
廊下を歩いていってしまった
よくこんなに仲のいい兄妹見たことないって言われるけど、
私が彼の優しさに救われ続けてきたのは事実だ



モゾモゾ





隣の部屋で物音がした。誰か寝返りでもうったのだろうか






少し足音が聞こえてから



ガチャ
ドアが開いた



そこに立っていたのは
かれん
かれん
莉犬くん、

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