第5話

. すべて
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2026/01/29 03:55 更新
呼ばれると、すぐに反応する。

それが当たり前になった。














「あなた」











声が聞こえた瞬間、顔を上げる。

そこに廉がいるかどうかが、すべてだった。






「いい子」








その言葉で、世界が整う。

鏡を見る機会は減った。
必要がないから。










「俺が見てる」
「それで十分でしょ」










うん、と頷く。

その返事に、もう迷いはない。
外の世界を思い出そうとすると、

ノイズみたいに、すぐ消える。





「考えなくていいよ」
「ここにあるのは、正解だけだから」





夜、灯りが落ちる。
廉の気配が近くにある。



「愛してる」
その言葉を聞いて、目を閉じる。













怖くない。
不安もない。
ただ、静かで、完璧で、
廉の声だけが、すべてだった。


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