自分の席を探す
隣の人は...まだ来ていないみたい
隣と通路ひとつ分離れてるからそんなの関係ないけどね
いつも事務所に通うときはぎゅうぎゅうのバスでずっと立っていた
まだまだ執着してるんだ...
道路の混み具合にもよるが、釜山までは5時間もあれば着く
そんなことを呟いた時、隣の席の人が来た
ふと目があって、いつもの癖で会釈してしまった
驚いていたっぽいけれど、会釈を返してくれたしいい人かも
急に話しかけられてビックリした
え?なんだろう?
私なんかやらかしたかな...?
あ、なんだ、スカウトマンさんか、
すごく押しの強い人だ、
もらった名刺を財布にしまう
『6:30発 釜山直行急行バス、発車します』
私はそう、小さく心の中で呟いた
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。