抹茶said
あれから1週間経ってるけど、亥鈴はまだ部屋から出てくれない
コンコンッ
…………
……………コンッ
私たちは顔を見合わせる
ここ最近ずっとそうだ
YESならノック一回、NOならノック二回
自然とそのルールができていた
だから私達もYESかNOで答えられる質問をするようにしている
…………コンッ
………コンッ………………コンッ……
…………コンッ……
そうして私達は病院の外に出て、亥鈴のいる病室の窓を見る
もちろん、窓は閉められ、カーテンで中も見えない
だけど、私たちは見続けた
もしかしたら顔を覗かせるかもしれない
そんな希望をいつも抱いてる
せめて声だけでも聞けたらいいんだけどな〜…
そうして私達は解散した
後日……
【学校】
学校の友達にはまだ1週間だからギリギリ騙せている状態…
これ以上続いたらもう限界だろうな…
私は先生に呼ばれ、職員室に向かう
話す内容はわかっている
職員室に入るとそこには酉伊と時雨もいた
そんなことをすれば、先生達は行っていないと言い張りながらも実は行っている…なんてことはありえる
あんな状態の亥鈴に合わせるわけにはいかない
合ってはいけない
そんなことをすれば亥鈴の精神は本当に崩壊する可能性がある
これは私だけの判断じゃない
三人で決めたこと
嘘だ
会話すらもできていないのにそんなこと知るはずない、わかるはずない
ああ、会いたいなぁ〜……
今日こそは声…聞けるかなぁ…
私は黙って首を振った
いつから来られるか……か…
【放課後】
その時、胸の奥がざわついた
何か嫌な予感がする
嫌
とても嫌だ
ザワザワする
親友って本当にいいな
こういう時、迷わず私を信じてくれる
本当に頼もしい
そうして私達は走り出した
亥鈴がいる病院へ















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!