第13話

13
268
2023/01/14 21:00

あなたに、どうしたら好きになってもらえるかって


たくさん考えた。





好きなものをあげたり

優しさだけを与えて

いつでも笑顔でいて



でも、どんな方法を使ってもあなたが俺に振り向いてくれることなんて1度もなかった








まだあなたと出会ってない小学1年生の時、




クソガキA
おぉい、お前この辺では1番強いって聞いたけど本当なのかぁ?
紫耀
…何の話
クソガキB
俺らとタイマンしよーぜ!


俺はガキの頃から喧嘩が強くて、


毎日と言っていいほど、その辺の小学生が俺に挑んできては泣きながら帰って行っていた





毎日喧嘩の日々だからなのか、顔にはたくさんの絆創膏が貼られていたし


傷が治ればまた新しい傷ができていた



紫耀
痛ぇっ…タイマンは1対1だろ、、

学校の帰り道、


少しふらつきながらも汚れた服とランドセルを身につけて


家に向かって帰っていた時だった


クソガキA
おい、泣けばいいって問題じゃねーだろっ!
あなた
うぅぅっ(泣)

通りかかった公園の中で


座り込んで泣く少女と、


少女の周りに3人のガキが囲んでいた


クソガキA
お前が悪いんだろ!
あなた
でもぉっ、まだ遊びたいぃっ!(泣)
クソガキB
いいだろ、お前のボールじゃないんだから!
紫耀
…何やってんだよ
クソガキC
わっ、こいつ強ぇやつだよ!
クソガキB
逃げろ逃げろ!


3人のガキはボールを置いて


走り去って行った


紫耀
おい、大丈夫か…
あなた
うわぁぁんっ(泣)

初めて会ったあなたは


俺に必死にくっついて


ずーっと泣いてた



紫耀
いつまで泣いてんだよ
あなた
だってぇ、君が傷だらけだからぁっ(泣)
紫耀
…?


俺が怪我してて

怪我の痛みを汲み取ってあなたは泣いてくれていた

紫耀
ぷっ、(笑)
あなた
…?
紫耀
どーゆうことだよそれ(笑)
あなた
なんで笑ってるの?
痛くないの?((グスッ
紫耀
こんな傷、すぐ治るよ
あなた
じゃあこれからは、怪我しないでっ
紫耀
…覚えてたらな

この時に、笑うってことを思い出した


久しぶりに笑顔を取り戻した






だからこれからは、あなたを笑顔にしたいって決めた




もう二度とあなたを悲しませない、怪我しないって決めた









プリ小説オーディオドラマ