そして、パーティー前日――。
おそるおそる見つめる先には、まだ慣れないハイヒールがあった。
クローゼットを開けてみるがドレスらしきものは見当たらない。
お母様のドレス…。
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母の腕にはキラキラと輝く純白のドレスがかかっていた。
あの時は本当に嬉しくて乗り気でなかった結婚があの瞬間だけはすごく楽しみになっていた。
でもまさか、それよりも前に別のお母様のものを着ることになるなんて…。
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美亜のお母様は自分の娘に着せてるつもりだろうに、それが同じ顔をした美亜じゃない別人だとわかったら…。
嬉しそうに笑う美亜のお母様に心が痛くなった。
そして運命のパーティー当日――。
まさか、このパーティーがきっかけでこのあとの物語が急激に展開していくことになるとはこの時にはまだ誰にも予測できなかっただろう。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。