チャイムを1回押す。
奥からバタバタと急いでいるようなうるさい音がしたのち、ドアが開かれる。
えぇ、とゴミほどではないが呆れたような哀れみの目線を向けられた。給料いいから俺的には文句は無い。
うるさい女が多いのは考えものだが。
「社会不適合者ー」と笑いながら挑発してきたのでうるせぇ、とデコピンを一発。
わざと泣くフリをするのも変わらない。
風呂を上がったところチョコミントアイスを咥えているいむに会ったと思えば、俺にも1本くれた。
というか俺の好みをいつの間にか把握してて怖い。
どうやら俺の無意識だったらしい。
いむは最後の一口を放り込んだと思えば棒をゴミ箱に投げ入れた。ちゃんと中に入った。
徐に口を開いたと思えば。
普段とは違う真剣な表情に目線を逸らした。
静かな口調ながらに俺を攻めたてる言葉はたしかに正しいと言えるものだった。俺と同じ水色の瞳が俺を射抜く。
ぐ、と言葉に詰まると静寂が訪れた。
はぁ、とため息をつかれた。
ホントにクズだよねぇと呆れたように言う。
いむはソファで寝ると言ったが俺的にはそうしたい気分では無い。指さしたいむを無理やり引きずってベッドに入る。
無理やり布団の中に押し込んでから俺も入る。
やっぱり子供体温だった。
クズ炸裂したね
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!