第6話

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2024/06/11 10:01

チャイムを1回押す。


奥からバタバタと急いでいるようなうるさい音がしたのち、ドアが開かれる。









いむくん
いむくん
うわぁお酒の匂い.....



あなた
第一声それかよ





いむくん
いむくん
だってすごい匂いだもん
てかまだホストなの?




あなた
そーだけど





えぇ、とゴミほどではないが呆れたような哀れみの目線を向けられた。給料いいから俺的には文句は無い。





うるさい女が多いのは考えものだが。




いむくん
いむくん
頭いいんだから普通に働けばいいのに



あなた
......面倒臭い




「社会不適合者ー」と笑いながら挑発してきたのでうるせぇ、とデコピンを一発。




わざと泣くフリをするのも変わらない。



あなた
....風呂借りていい?




いむくん
いむくん
もう沸いてるよ
早く入っといで。












あなた
アイスまでありがとう





いむくん
いむくん
買ってきてやったんだ、感謝しろ(ドヤ



風呂を上がったところチョコミントアイスを咥えているいむに会ったと思えば、俺にも1本くれた。



というか俺の好みをいつの間にか把握してて怖い。





あなた
いつの間に俺の好み把握してんの




いむくん
いむくん
逆に言うけどさ
サーティワンで毎回チョコミント選んでるの見て分からないと思う?




あなた
.......そんなにチョコミント選んでたっけ?





いむくん
いむくん
毎回選んでるでしょ





どうやら俺の無意識だったらしい。





いむは最後の一口を放り込んだと思えば棒をゴミ箱に投げ入れた。ちゃんと中に入った。





いむくん
いむくん
....彼氏さんと喧嘩でもした?











あなた
別に






いむくん
いむくん
...ふぅん
あんまり心配かけたらだめだよ?





徐に口を開いたと思えば。


普段とは違う真剣な表情に目線を逸らした。








いむくん
いむくん
....りうちゃん、覚えてるよね?
そんな遠くない日のことだし






あなた
いむ





いむくん
いむくん
まだあなたの下の名前兄のこと追いかけてるから。




あなた
いむ、





いむくん
いむくん
元はと言えばあなたの下の名前が複数の人と遊んでたせいなんだからね?ちゃんとケジメつけなよ





あなた
......





いむくん
いむくん
僕三股してるの知ってるし
初兎ちゃんとりうちゃんと、その彼氏さん?




あなた
.......そ



いむくん
いむくん
2人とも僕の前で泣いてたよ?
ホントにそろそろクズ辞めなよ




静かな口調ながらに俺を攻めたてる言葉はたしかに正しいと言えるものだった。俺と同じ水色の瞳が俺を射抜く。





ぐ、と言葉に詰まると静寂が訪れた。














あなた
....とうとう弟に説教されるとはね





いむくん
いむくん
...まーたそうやってのらりくらりと...




はぁ、とため息をつかれた。



ホントにクズだよねぇと呆れたように言う。




あなた
残念だがお前さんの兄貴はクズだよ


いむくん
いむくん
うーわ自分で蔑んでる




あなた
あーあー分かったから




あなた
俺も眠いし早く寝よ



いむくん
いむくん
僕ソファでいいよ
ベッド向こうにあるし使って。









いむはソファで寝ると言ったが俺的にはそうしたい気分では無い。指さしたいむを無理やり引きずってベッドに入る。





いむくん
いむくん
ちょちょちょ?!
流石に2人でひとつは?!



あなた
いむお前湯たんぽ係な




無理やり布団の中に押し込んでから俺も入る。




やっぱり子供体温だった。
 



いむくん
いむくん
...成人男性2人はキツいよ...





いむくん
いむくん
ってもう寝てる?!
早.....


クズ炸裂したね

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