俺は賑やかそうに話す二人を眺めながら考える。
なんかよくわからん違和感…
俺が感じてる違和感がまんま違和感なのかはわかんないんだけどさ
なんて言ったらいいんだろう
なんか、こう、こう…
…どういうんだろ。こういうの。
ちょっと寝たあとにでもすとさんに相談できるか聞いてみよう
俺じゃ、何をどうしたらいいのかわからない。
それが正解なのか、わかんないんだしさ。
腹減ったなぁ…
よしみかん食おう。
そんなことを言ってこたつに置いてあったみかんを手に取る。
…あれ、俺コレどうやって剝こう
ん〜…いや、こういうときのためにできた言葉。
その名も、他力本願。
ぶつぶつ言いながらみかんの皮を剝いてくれる。優しい。
剝き終わってこっちに放られたみかんを「ありがとー」とか言いながらぎこちない左手で手にとって頬張る。
うん。みかんって美味しい。
まぁ最近はこればっか食ってるからなぁ…
…ん〜、なんかみかん食ったら眠くなってきたべ…
…いや改めて食う寝る生活だと思い直したわ…
それでも眠気には勝てない…
俺はふらふらとベットへ向かう。
ベットに倒れ込んで目を閉じると、引き込まれるように‘眠’っていった。
あれ…?
少しの違和感。
んまんまと言いながらみかんを頬張る彼を見ながら思う。
…くまさんって、左利きだっけ…?
いや、聞いたことないからわかんないんだけど
記憶だと右利きだったと思うんだけどな…
そんなことを考えているとくまさんがベットにフラフラ歩いていった。
…‘起きたら聞かなくちゃな’…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!