ぼくは駆け足で病棟を巡った。
もう慣れたから行き先もしっかりと分かる。
ぼくは足を止めた。
ないちゃんだと思って振り返るがそこには誰もいなかった。流石におかしいことにぼくも気づいた。
ぼくは何事も無かった様にまた早足で向かった。
急いで病室のドアを開けるもそこには誰もいなかった
ぼくは焦って頭をフル回転させる。
嗚呼そうだ!
院内学級だ。今日は1時半までだっけ?
ぼくは院内学級のスケジュールを見る
うん。今日は1時半までだ。
ぼくは、時計を確認してベッドに座る
今は1時25分前
ないちゃんが帰ってくるまで少し時間がある
ぼくは申し訳なくなって脱力する。
ないちゃんが今日も寝ていたベッドに横たわる。
そういえば昨日洗ったばっかりなんだっけ、いい匂いがするのもきっとそのおかげだ。
ぼくはそんなことを思いつつ仮眠を取ろうとする。
嗚呼、なんか……
ぼくははっとして体を起こす。
確実に声がした。
なのに、誰もいない……
ぼくは怖くなってそう呟く
でも、ないちゃんって声でもない気がした。
刹那ぼくに衝動が走る
ぼくは声がして体をゆっくり起こす。
嗚呼、これは完全に
あたたかく、優しい声、いつでもぼくを支えてくれた声
ぼくがそう言うとにこやかに微笑んだ。
嘘つけ、久しぶりに決まってる。
ぼくはそう泣きそうになって言った。
ぼくがそう言うとにこっとぼくに笑いかけた。
ぼくは懐かしさに涙をながした。
ぼくはあと一言で言葉が詰まった。
言葉を発せれなかったのだ。
ぼくは呂律が回らない口でないちゃんに話す
ないちゃんがぼくの身なりを正す。
ぼくはないちゃんの白い腕を見て言う
ぼくはないちゃんにことの成り行きを話す
ないちゃんが吹き出すように言う
ないちゃんがにこやかに言う
安心する笑顔
ないちゃんがまたにっこりと笑って言った。
どこか懐かしいようなそんな感じもした。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。