親からも姉からも、罵倒される日々
そして何も思わない彼女
その様子を何も言わずに見ていた使用人は遂に痺れを切らした
そう言って、
使用人に連れられるが儘に五歳の少女は家を出た
クスリと笑いかけて使用人はそう言った
気分を紛らわそうと笑ってくれたのだろうけれど、
矢張り不安は少しだけだが残った
キッパリそう言い、
使用人は少女の手を引っ張り
外の世界へ連れ出した
少女にとっては、たった一人の使用人の背中が
眩しくてとっても心強かった____
歩きながら、少女は使用人にこう聞いた
少女が聞いた問いを使用人は何も応えずに、
代わりにそんな事を聞いた
少女は、はぐれないように使用人の手を強く握って
人混みの中を掻き分けながら突き進んだ
少女にとって外に出るのは初めてで、
少女にとって街を歩くのも初めて、
そして、人混みの中を歩くのも初めてだった
全てが新しい事だらけで、不安もあったが、
少し嬉しくてワクワクしていた
使用人は立ち止まった
少女と使用人はゆっくり見上げると、
たくさんの大きなアトラクションがあった
そう、来た場所は「遊園地」だった___
勿論、少女は外に出た事の無い身の為、「遊園地」という建物は全く知らなかった
真っ先に目に付いたモノ
大きな円形の建物を指差して聞く少女
使用人は優しく説明してくれた
ニコリと笑ってそう言う使用人
正直なところ、使用人の方がはしゃいでいた
けれど、楽しみなのは少女もだった
少女達は駆け足で遊園地の中に入って行った
まず最初に乗ったのはコーヒーカップ
クルクルと回る新しいものに少女は目をキラキラと輝かせていた
ニコリと微笑み掛けて、使用人は優しくそう言った
すると少女は嬉しそうに笑みを浮かべてコクリと頷きながら
と元気に言った
目をキラキラ輝かせながら、
ピョンピョンと嬉しそうに跳ねてそう言う少女
ふと使用人の様子を見た
使用人はすっかり顔を真っ青にしながら
目が回っていた
焦りながら、使用人の周りをアタフタとする
その様子が面白くて使用人は思わず吹き出した
笑いながらそう言って、少女達は手を繋いだ
はしゃいでいる少女、今は年相応の子供だった
其の様子に気が付いて、使用人は自然と頬が緩んだ
周りからはどう見えているだろう
決して、使用人とその主とは思えない関係である
周りから見れば友達か…将又、姉妹か
敢えて、この事は少女に言わなかった
ただ、今は少女が楽しそうに笑ってくれれば良いと
そう思ったから____
使用人がそう言うと、
少女は明らかに落ち込んだ顔を浮かべた
落ち込んでいるが
あの様子でも沢山のアトラクションを乗りまくった
その様子を見て、使用人は
そう言って、使用人は観覧車を指さした
少女が「最後に残しておく!」と言って乗っていなかったものだ
また、少女は目をキラキラさせながら頷いた
その様子に使用人は微笑んで、
二人は観覧車の方へとゆっくり歩きながら向かった
辺りは夕焼けで空が綺麗な紫と橙と黄色のグラデーションになっていた
その景色に、二人は思わず見惚れていた
すると突然、使用人はハッと何かを思い出したかのようにバッグをガサゴソと漁り始めた
使用人はニコリと優しく笑ってそう言った____













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。