ピンポーン
とインターホンが鳴り、
少女は小さな足で玄関までスタスタと自力で歩いて
扉を開けた
ニコリと笑みを浮かべて彼女はそう言った
奏風 虹音 ____
補助監督・窓 ____
使用人は其の笑みが作り笑顔なのは直ぐに分かった
そりゃそうだ。
会ったばかりの小さな少女に
使用人を就けるのだから。
其方は仕事でやっているのだから
この反応は当たり前なのだろう
その様子に少女は黙り込んでしまった
ただ、たった一言___
たったの四つの子供が敬語を使っているからか、
彼女は驚いて目を見開いていた
しかし、彼女も又、中学三年生であり子供だった
正直、唯の高校生がこんな流暢に敬語を使いこなせる筈がない
二人は初めて会った時から何処か似ていた____
これが、彼女との新しい出会いだった___
少女は使用人から呪術の事を教わった
だが、少女が呪術に触れるのは初めてでは無かった
少し時を遡り、少女が生まれて一年たった時___
ある日、夢の中で黄金色の綺麗な毛並みをした大狐が真っ白の部屋に現れたのだ
少し怯えながらも、勇気を出してそう聞いた
狐が喋っている事に、
彼女は驚きを隠せなかったが、
彼女は特に何も聞かずに、耳を傾けた
思わず口を開いた
何せ、この時が彼女の呪術というものを知った日だったから___
その日が少女と大狐の出会いだった____
それから時が経ち一年、
家族と少女との距離感は急速に遠くなっていくばかりであった。
少女だけに使用人が就いた事にも納得がいかず、気に食わなかったのだろう
流石に心配になった使用人の彼女も声を掛けた
訊かれても、少女はそう応えるだけだった
この時からだった、少女が作り笑いを覚えたのは。
勿論、たったの五つで。
家族との距離は遠いが、使用人との距離は縮まった
使用人とのコミュニケーションを出来る限り多く取って、敬語を外せるように練習したのだ
そしてお互い、様付けなしで話すようになった
恐らくこの時には既に、
少女は生命を懸けてでも守ろうという
使用人には少女への強い忠誠心が宿っただろう
主と使用人という大きな壁のある立場だが、
お互いが信用し合い、生きていく上で、
かけがえのない存在となったのだ____
一年でかなりの進展だった。
だが、其れと同時に不運な事も
そう、彼女だ
数年前迄は、妹が出来た事を嬉しく思って、純粋な瞳をキラキラと輝かせていたのに
今の彼女は少女を嘲笑って、雑用を押し付けて、
兎に角、酷い変わり様だった___
声が震えながら私はそう返事をした
唯、其の時からだろうか、
少女はどんなに無理難題を押し付けられようと、何も思わなくなり、感情が消え去ったのは___
この時、少女は二度目の失望と、
この広い世界と自分の人生に渇望した____
次第に状況は悪化していった
毎日宿題の押し付けは当たり前
彼女の部屋の掃除迄もやらされた
そして彼女の機嫌の悪い日は殴られ蹴られ…
兎に角、散々な日々だった
だが、彼女は何も思わなかった…
否、思えなかった____
そんな目にハイライトの映らない少女の様子を、何も言わずに悔しそうな目で使用人は見ていた
虹音ちゃん紹介~~~~☆☆☆

# 奏風 虹音 .
# ♀︎ .
# 十五歳(中学三年生) .
# 術式なし .
# 呪霊が見える .
# 狐色あなたの専属使用人 .
# 補助監督・窓 .
# しっかり者 , 少し天然 , 根は明るい , 優しい .
# 良くも悪くもめっっっちゃ善人 .














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!