それから少女と大狐は、呪術界上層部から居場所を悟られないように、色々な場所を点々とした
少女は大狐からたくさんの呪術の事を教わった
そして少女も其れを完璧に成し遂げてみせた
所謂、飲み込みが早い、のだろう。
一回で理解してしまう程だ____
呪術界から見れば、少女は才能の塊だった
本当はこんな逸材を野放しにして良いものじゃない
少女達は話し合っている
其の話はと言うと…
少女は足を止めた
そして少し小さく素朴な一軒家を指さした
傍から見れば、一見ただの平民住宅だ
そう言って大狐は飛び出し、
小さな一軒家に飛びかかろうとした
が、その動作は少女の言葉によって止まった
少女のその言葉に大狐はピタリと止まり、
大狐は不思議そうに疑問符を浮かべた
冷静な声色、そして冷徹な瞳で少女はそう言った
その様子に、大狐は思わず顔を顰めた
躊躇う事もなく、俯きながら少女はそう言った
その様子に対しては、
諦めたのか、それから大狐は何も発さなかった
そう唱えると、一軒家にドゴンと鳴る大きな音とフラッシュする白い光が同時に落ち、雷が鳴った
中に居た人は恐らく即死だろう
人が消えた事に、
苦しみも哀れみも無かった
唯、何も無かった_____
少女と大狐は、密かに復讐を果たしていた
少女を「忌み子」と呼んで除け者にした者達を片っ端から術式で消していった
少女の行為は呪術規定に反するものだ
つまりは、少女は「呪詛師」
見つかれば即死刑だろう。
その為、こうして点々としている
隠蔽は大狐__狐酔が何とかしてくれた
だが、
六眼を欺く事は出来なかった____
目の前に背の高い男の人が立っていた
少女は吃驚して目を見開いた
それに反して、大狐の表情は変わらなかった
警戒し、少し怯えながらも少女は青年にそう聞いた
男の人は笑いながら
サングラスから青い眼を覗かせてそう言った
綺麗に澄み切った海のような瞳だった
純白の髪も相まって美しく見えた
表情を変えずに
感心するように大狐は男の人に向かってそう言った
目の前に居る大狐に少し目を見開いたが、
青年は直ぐに表情が戻った
言葉を伸ばしながら、男の人は呑気にそう言う
かつて恐れられた、大型狐呪霊を目の前にして、こんなに呑気で居られるのは恐らく彼だけだろう
彼に少しだけ興味を持った少女は静かにそう聞いた
目を逸らしながら、男の人はそう言った
少女は淡々とそう言う
勿論名前は呼び捨てで____
少し声を大きくしながら青年は怒った
「短気な人だなぁ」と少女は素直に思った
だが、口に出すのは辞めておいた
少女は淡々とそう言った
名前は勿論呼び捨てで。
今度は嫌そうにしながらも
後付けだけれどしっかり「さん」を付けた
その少女の様子に、青年は顔を顰めていた
多分少しイラッときていた
次の言葉が出る時、
私は深く息を吸い、深呼吸してからこう言った
冷徹で光の入らない真っ黒に濁った瞳で、表情を変えず、少女は平然と冷静にそんな言葉を吐いた
青年はその言葉に拍子抜けしたように
「は」という一文字が出たが、
後にその顔は暗く、真剣になった
一方大狐は、俯いて黙り込んでいた













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。