第93話

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2026/01/01 01:00 更新




春のある日、あなたは久しぶりに黒尾の大学を訪れた。




都内の広いキャンパスに、長い黒髪と凛とした雰囲気のあなたが現れると、周囲の学生たちがざわめき始める。






「え、あの子誰?」


「黒尾の彼女じゃない?」


「めっちゃ美人……!」




そんな声があちこちから聞こえてくるが、あなたは気にする様子もなく、まっすぐ黒尾の元へ歩いていく。





黒尾はバレー部の練習を終え、体育館の前であなたを待っていた。







「お、来たな。」







黒尾はいつものように、少し意地悪そうな笑みを浮かべて手を振る。






あなたも自然な笑顔で駆け寄り、黒尾の隣に並ぶ。






『久しぶり。元気だった?』






「まあな。お前こそ、寮生活はどうだよ?」






『最初は大変だったけど、今は楽しいよ。
  でも、やっぱり鉄朗に会えないのは寂しい。』








黒尾はあなたの頭を軽く撫で、周囲の視線を気にも留めず、自然に彼女の手を取る。








「俺もだよ。
  ……でも、こうして会いに来てくれるの、嬉しい。」








二人の距離は、まるで高校時代と変わらない。


むしろ、離れて過ごす時間が増えた分、会えた時の喜びは何倍にもなっていた。









黒尾の友人たちが遠巻きに見ている中、黒尾は堂々とあなたの肩を抱く。







「なあ、あなた。
……お前、相変わらずモテるな。今日も黄色い声がすごいぞ?」







あなたは少しだけ照れたように笑い、黒尾の腕に自分の手を重ねる。








『鉄朗だって、女子に囲まれてるじゃん。
     でも、私が好きなのは鉄朗だけだよ。』









黒尾は満足そうににやりと笑い、彼女の額に軽くキスを落とす。








「知ってる。……俺も、お前だけだ。」







高校時代、男遊びをしていたあなたの面影は、今の二人の間には微塵も感じられない。


お互いを信じ、支え合い、離れていても心はしっかりと繋がっている。















また別の日、あなたの大学に黒尾が訪れた時も同じだった。




長身で整った顔立ち、どこか余裕のある雰囲気――
黒尾がキャンパスを歩くだけで、女子学生たちの視線が集まる。








「え、あの人誰?あなたちゃんの彼氏?」

「めっちゃイケメン……!」




そんな声が聞こえても、黒尾は気にせずあなたの元へ向かう。




あなたも、周囲の視線を気にすることなく、黒尾の腕に自然と手を絡める。








『遠いのに、わざわざ来てくれてありがとう。』








「俺のお姫様に会いたかったからな。それだけですよ。」






二人の間には、誰にも入り込めない信頼と絆があった。


どんなに離れていても、どんなに周囲が騒がしくても、二人の距離は変わらない。







――お互いの大学で、黄色い声が上がるたびに、

「やっぱり黒尾とあなたは特別だ」と、誰もが思う。

そして二人は、またそれぞれの場所へ戻っていく。


次に会える日を楽しみにしながら、離れていても変わらぬ想いを胸に――。

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