病院に着いてからも智久ゎ黙ったままだった
診察室まで着いてきてくれたし、処置してもらってる時もそばにいてくれた
でも、ずっと黙ったまま
まだ、自分のこと責めてるのかな
あれゎ事故なんだから、誰も悪くないのに
自分を責めて欲しくないのに
智久の、悪い癖なんだょね
その場を離れた私の背中に、智久の驚いた声が微かに聞こえた
またやってしまった
一方的に勝手にキレて逃げ出してしまった
結局後で後悔するの分かってるのに、智久を置いてきちゃった
でも、智久にゎこんなことでくよくよしてほしくない
割り切ることも大事だって覚えて欲しい
私のことすごく大事に思ってくれてるんだって分かったけど、それゎすごく嬉しいけど、だからって自分を責めるのゎ違うと思うから
って、私も思ってることを言葉にして伝えられれば一番いぃんだけどね
でも、智久も少しゎ1人で頭冷やして冷静になった方がいぃかもね
そう思った私ゎ引き返すことなく家に向かった
智久置いてきちゃったけど、ちゃんと帰ってくるかな・・・
家に着いてドアノブに手をかけた瞬間、ふと智久のことが気になった
なぜか急に不安が込み上げてきた
嫌な予感がする
もし、智久が自分を責めて変なことしてたら・・・
もし、フラフラ歩いてるとこを車にひかれたら・・・
どぅしよう・・・
手足の震えが止まらない
智久を失ってしまうかもしれない恐怖で頭の中ゎ真っ白
パニックでただ泣くことしか出来ない
やっぱりあの時意地はらずに戻ればよかった
智久にもしもの事があったら・・・
私の手の震えでドアノブがガチャガチャと音を立て、それに気づいた亀梨くんが玄関のドアを開けた
玄関に立ちすくみ涙を流しながら身体を震わせる私を見て、状況が理解出来ていないのか凄い勢いで質問が飛んでくる
コクリと頷く
スマホを耳に当てる亀梨くんを祈るように見つめる
お願い・・・出て・・・っ!
亀梨くんの電話に出ないって・・・やばい
亀梨くんゎ私の来た道を走っていった
亀梨くんにまで迷惑かけて、私ほんと最低だ
後悔するって分かってたくせに
なんで智久に対してだとあんなに感情が抑えられなくなるんだろう
一番大切な人なのに
どうして傷つけることばっかりしちゃうんだろう
なんで素直になれなぃんだろう
答えのでない質問を自分に突きつけて、理解のできない自分の感情を整理しようともがいた
意味が無いことだと分かっていても、何か考えていないと心配で気が狂いそうだった
一回、私も電話してみよう・・・
震える手を何とか抑えながら通話ボタンに手をかけた
プップップップッ
プルルルル
繋がった・・・!
プルルルル
お願い、出て
プルルルル
智久・・・
プルルルル
プッー
よかった、無事だった
不安の涙ゎ安心の涙に変わった
よかった
やっぱり私たちゎどこにいても、ちゃんと繋がってるんだね
こうやって、糸がほつれたらその度にちゃんと紡いでいけばいぃ
でも、自分の悪いとこいぃ加減直さないと、今度こそ取り返しのつかない事になりそう
一方的にならないで、ちゃんと智久の言葉に耳を傾けないと
ふわっと私を包み込む香水の香り
これ、知ってる匂いだ・・・
智久の、匂い
うん、智久の匂いだ
智久だ・・・!
帰ってきてくれた
ちゃんと、ここにぃる・・・っ!
智久の腕に抱かれて、智久の匂いに包まれて、やっとほんとに無事だと実感できた
そうだね、亀梨くんの言うとおりだ
ありがとう智久・・・
もぅ絶対
離れない
離さない
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。