第8話

8 ついに、、
939
2024/04/19 13:43


アイエンside



入籍して初めての妊婦健診の日。

診察室へと呼ばれたけど
彼の苗字になった自分にまだ慣れなくて、
なんだか照れくさい...



赤ちゃんは順調みたいで
心音も聴かせてもらえた!
私のお腹の中に新しい命が存在するっことを
実感できて、感動。

なんか不思議な気持ちだった。



市役所で母子手帳も受け取り、
帰宅したチャンビンに報告すれば
俺も聞きたかったーって大興奮


心音すらも可愛いって言いながら
エコー写真に何回もチューしてた笑


すでに親バカだし、、、笑



なんて笑いあえてたのもこの日までだった







はぁっ、、

今まではたまにムカムカする程度だったのに
船酔いをしてるような気持ち悪さが
頻繁にやってくるようになった



私にも本格的な悪阻が始まったみたい


姉が言ってたのは脅しじゃなかった、、


食欲もパタリとなくなり
フルーツやゼリーなど食べやすいものばかり
欲するように。


家ではしんどい時チャンビンが積極的に家事を
してくれるからなんとかなってるけど
問題は仕事中、、

なんせ私の働いてるところは飲食店(カフェ)、、


CB「ヌナ、気分悪そうだな、、
  仕事行ける?」
IN「吐くまでじゃないから....
  行く、、」
CB「無理しないで、、」


動きたくなくて家で寝ていたいって言うのが
本音だけど、、、
ギリギリの人数でお店をまわしてるから
迷惑かけたくないし
子どもを育てるってお金がかかると思うから
少しでも貯金しなきゃ、、、




だけど...

ホールがメインではあるものの
食べ物の匂いが
悪阻中の私にはかなり堪える、、


大好きだった店自慢のハンバーガーや
店長手作りケーキ
どれも美味しそうなのに...


店長「アイエンちゃん、
   顔色悪いけど大丈夫?」
IN 「大丈夫です、、んぐっ、、、」
店長「アイエンちゃん⁈」



いきなり凄まじい吐き気がおそってきて
慌ててトイレへと駆け込んだ。


IN「ゔぉえっ、ゲホッゴホッ、、えほっ、、」


一気に戻してしまって自分でもびっくり、。

IN「うっ、ゲホッ、、」


空いてる時間で助かった


吐くなんて数年前にやけ酒して以来かも、、

数回吐いたら少しスッキリして
トイレを出れば
心配そうな店長が待っててくれた。


IN「実は私妊娠したんです、、」


安定期に入ってから言おうと思ってたけど
優しく介抱してくれる店長を前に
隠すことは出来なかった。



店長「おめでとう!!
   もしかしてって思ってたの。
   悪阻しんどいわよね、、
   お店のこと考えてくれてありがとう♡
   落ち着くまで少し休みなさい^^
   変わりにいつもサボってるマスター(夫)
   にバリバリ働いてもらうから
   大丈夫よ笑
   アイエンちゃんがいないと
   常連さんは悲しむけど、、
   元気な赤ちゃん産んでね」
IN 「店長、、涙 
   ありがとうございます」


暖かい言葉が本当に嬉しくて、、
つい甘えてしまった。


結局そのまま上がらしてもらって
家に帰った私は
椅子に座ったまま
動けずにいた。

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