第10話

#9真相
9
2025/12/30 09:00 更新
運び屋
しょ、正体を表すって……
いっ、一体なんの話ですか?
いきなりこんな事を言われたから、僕の心臓はバクバクで、口も上手く回らない
すると誠さんは、はぁ~とため息をつき、僕に近づいてくる
本日2回目のデコピン!
運び屋
痛っ!
僕の額に、デコピンがクリーンヒットし倒れる
まさか伝家の宝刀デコピンを一日に2回も使うとは……
マジで痛い……
本当に伝家の宝刀だ……
ほら、君ならそんなの痛くないだろ?
運び屋
いや痛いですよ
てか正体表すって、全く心当たりないですよ
誠さんは、またはぁ~とため息をつく
じゃあ、こう言ったら分かるかな?
、正体分かってるからさっさと変身解きなさい
……なーんだ、バレてるのか
ニヤッと笑い変身を解く
カイト
いつから気づいた?
すると、先程まで居た作業着の青年から、病弱そうな青年へと早変わり!
……自分で言ってなんか悲しいな
君を見分ける事なんて、1-1をタイムアタックするより簡単だよ
カイト
流石我が友、簡単に見分けられるか
君は格ゲーであんなに速くコマンドを打てないからね
すぐに分身だって気づいたよ
カイト
判別方法それかよ!
あとまるで俺がゲーム下手みたいに言ってるけど、誠とラックが上手すぎるだけだからな!
それだけじゃないよ
併用特有のもあったし
あーと唸りながら俺は頭を抱える
カイト
ほんとアレどうにかならないかな?
本体はともかく分身側は顕著だし、やっぱ分身これってあんまり使えないかな?
使い方次第じゃない?
カイト
だよね~
おっと、忘れる所だった
誠がちょっと怒ったような顔で迫ってくる
こんな事してたんだから、何か成果はあるよね?
遊んだだけじゃないよね?
カイト
はいはい、これをお望みなんだろ?
忘れてないよ、あの約束
USBを誠に投げる
カイト
最近というか最初からだけど、長い間実行部に同じ人が留まった試しがなかっただろ?
気になったから調べに行ったんだよ
誠は投げられたUSBを見て、納得した表情になる
今まで、クロの事何回調査してもライン越えの事だけは隠してきたみたいだったけど、やっとあいつをクビに出来るかな?
カイト
クビどころか、賠償請求で億単位取れるぞ
何をしてきたのか怖くなってきたよ
それはそうと、君も変わらないね
まさか潜入捜査するとは
カイト
結構大変だったよ、潜入するの
まず偽装の身分証なんかを作って変装する運び屋の大体のキャラ像を考えて、構想が固まってから斬に協力してもらって実行部から内定を貰う
その後は素の自分が出ないように心の内までただの一般人、運び屋にする
まぁ、結構中身出てたけどね
ありがとね、僕の願いの為に働いてくれて
カイト
お前の願いを叶えるためには手近な所からやってかないと無理でしょ?
身内が腐ってたら本当に不可能だって
そもそも実現可能かどうかすら怪しいし
うーん、やっぱり無理かな?この願い
カイト
世界平和
世界政府リーダーらしい大層な願いだと思うよ
それに実にお前らしい
そして、なんか俺らなら出来そうな気がする
無責任に励ますのはやめてくれよ
余計に凹む
カイト
いやいや、俺は本気で思ってるんだぜ
俺は落ち込む誠に諭すように話す
本当にお前なら出来ると思うぜ、俺は
カイト
あーそうそう、そのUSB他にもいろんな奴の情報入ってるから
こりゃ一気にリストラしないといけないかもな……
パソコンで内容を確認しながら誠がぼやく
いや正当な解雇理由あるだろ、と心の中でツッコミつつ質問する
カイト
今後どうする?一部管理職もいたし埋め合わせやらないとね
それなら大丈夫でしょ?
君自身が何人か候補を見つけてるよね
こいつそんな事までお見通しかよ
まぁ今回の潜入捜査の目的の半分は暇潰しだけど、残りはこれだし
カイト
でも、見て回ったけどいきなり全部の役職は埋められないよ
半分が限界
半分でいいよ
君が直接見て査定したんだ、前任のメンツより頼りになるのは間違いない
カイト
俺への信頼重いよ
でも、ちゃんとこの目で見てきたんだ
絶対に役に立ってくれるはずだ
ちなみに誰が候補に上がってる?教えて
そう言うと誠はイタズラした子供のような笑顔でこっちを見てくる
どうせ誰の名前が出るか分かってるんだろ?
カイト
世界政府新体制の新たなメンバーとして俺が推すのは……
俺の口から出た名前に誠は頷く
うん、知ってた
カイト
じゃあ聞くな
そんなこんなで俺の挙げたメンバー全員が誠の審査に通って、新体制の役員となっていったのだった
某日 昼過ぎ
俺は世界政府の会議室のさらに上、建物の屋上にて涼んでいた
今日は新体制のお披露目会みたいなものをテレビに発表してインタビューやらをやるらしいが
カイト
めんどくせー
俺にそんなのは合わない
俺の人生の信条の一つに「合わないものを無理してやる必要はない」というのがある
誠やミラも知ってるし追いかけてはこないだろうし、他のメンバーは俺の居場所なんて分からないだろう
シロ
あっ、見つけた
なんて思ってた時期が俺にもありました
シロ
ほら起きてください
もうすぐセレモニー始まりますよ
カイト
五月蝿いな、シロ
てか誰の助けを得た?斬か?
屋上は扉などが無く、入るには外壁を登るか俺みたいにテレポートするかの二択だが
シロ
え?あぁ、俺は外壁の突起に足掛けて登ってきました
悪いことは言わん
今すぐクライミングで世界大会出なさい
てか本当に無能力なのか?
ライトとかでも能力無しで登るのは出来ないだろ
シロ
ほら行きますよ
カイト
嫌だ!俺はテレビに出たくない!
必死の抵抗虚しく俺はシロに引っ張られていった
(せめて安全に降りてくれない!?
屋上から俺を背負ってそのままダイブとか正気の沙汰か!?
あとなんでそれで生きてんの?)

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