第3話

始まり 03
218
2026/01/20 10:40 更新
【橋本将生side】
橋本将生
・・・ねぇ、いるんでしょ?
???
・・・ナゼ、ワカッタ
そこにいるのは、病院の服を着ている人らしき何か。


足は消えていて、こちらにふらふらとやってくる。
目は充血していて、クマもすごいことになっている。


何より、肌の色が生きている人のそれではない。
橋本将生
ここに来た時から何となく分かってたよ。きっとあなたのような人じゃない何かがいるんだろうなって。
???
・・・ワカル、ノカ
橋本将生
空気で分かるんですよ。
???
オマエ、ナゼキタ
橋本将生
俺は単にここを探検してくださいってスタッフさんから言われただけですよ。
橋本将生
・・・ひょっとしてだけど、前にもここに来た人達がいたの?
???
・・・ソウダ、タクサンキタ
???
ドイツモコイツモフザケタコトヲシテイタ
橋本将生
・・・そうでしたか。
橋本将生
なら、ここに来てごめんなさいね。すぐに出て行きますよ。
???
マテ、オマエ
橋本将生
ん?どうしました?
???
・・・イキテカエレルトオモッテイルノカ?
橋本将生
・・・んー、どうでしょうね。
橋本将生
じゃあ、代わりに俺もやりたいことがあるんですよ。
???
フザケルナ、オマエハココデシネ
橋本将生
まぁまぁ、待ってくださいよ。
橋本将生
俺は何があったのか聞きたいだけですよ。
???
橋本将生
・・・教えてください。
橋本将生
あなたは何をされたのか。
橋本将生
あなたはどうして成仏出来なかったのか。
???
・・・ホントウカ?
橋本将生
はい、本気で知りたいんです。
橋本将生
俺に出来ることがあるのなら、俺はそれをしてあげたいんですよ。
このタイプはきっと、対話で何とかなる。
???
・・・
???
オマエダケダッタ
???
ソンナコトヲキイテキタノハ
???
・・・キイテクレ、オレノハナシヲ
橋本将生
もちろん。
俺はそっと座り込んだ。







???
オレハモトモト、タダノココノビョウインノカンジャダッタ
???
オモイビョウキヲワズラッテ、ココデシュジュツヲスルコトニナッタ
さっきとは打って変わって、沈んだ声をしていた。
???
ダガ、ソイツハ、インチョウハ、カツテオレヲイジメテイタヤツダッタ
橋本将生
・・・あなたは学校かどこかでここの院長にいじめられていたんですか?
???
ソウダ。アイツハチュウガクノトキニオレヲタクサンイジメテキタ
???
ソシテソイツハ、コウイッタ
???
『安らかに死なせてやる』ト
橋本将生
!?
橋本将生
え、それって、まさか、
???
ソノマサカダ
彼は唇を噛んだ。
???
ヤツハシュジュツヲシッパイシタフリヲシテ、オレヲコロシタノダ
???
クヤシカッタ。ホントウニクヤシカッタ
???
オレハヤツヲウランダ
???
ヤツヲコロス、ソウチカッタ
橋本将生
・・・それであなたは、病院内の人を次々と殺した後に、院長を・・・
???
ソウダ
???
ナンダ?ワラウナラワラエ
橋本将生
・・・いえ。笑いませんよ、そんなこと。
???
・・・ホントウカ?
橋本将生
えぇ。その院長のしたことは、到底許されるようなことではないですし。
橋本将生
しかも、俺はそのことを今まで知らなかった。つまりこのことは隠蔽されたいたんです。
橋本将生
・・・あなたが恨んで殺したくなるのも、無理はない話です。
???
オマエ、・・・
橋本将生
・・・でもあなたは大きな間違いを犯した。
???
ナンダ?








橋本将生
・・・あなた、ここに肝試しに来た人達を行方不明にしたでしょ?
???
!?!?
彼は目を見開いた。
???
ナゼワカッタ?
橋本将生
ここに入った時に、泣き声のようなものが聞こえてきたんです。
橋本将生
だからあなたはその人達を行方不明にし、「存在すらなかったことにした」。
橋本将生
だから、行方不明者はいないと言われた。
???
・・・オマエ、ソコマデワカッテイタノカ
橋本将生
はい。俺はそういうのが分かっちゃうんです。
橋本将生
・・・そして、それは間違っている。
???
ナゼダ
橋本将生
・・・あなたがしていることは、あなたの恨んでいる院長と同じことだ。
???
!?
???
ドウイウコトダ?
橋本将生
院長は何の罪もないあなたを殺した。
橋本将生
でも、あなたも人を殺している。それも、肝試しに来たとはいえ何もしていない人を。
???
!!!!
これ以上、この人に罪を重ねさせたくない。
橋本将生
ねぇ。もうこんなこと、やめましょう。
橋本将生
これ以上、罪を重ねるのはやめましょう。
橋本将生
人を恨んでいるのは分かってる。
橋本将生
・・・でも、俺はあなたにこれ以上罪を重ねてほしくはないんです。
橋本将生
あなたには、安らかに眠ってほしい。
そうだ。
この世の悪霊には、悲しい人も多すぎる。


俺はそれを救ってあげたい。


この力を持った身として、せめてそれをこうやって救うために使いたい。








???
・・・・・・
彼はポロポロと涙をこぼした。
そして、微笑んでこう言った。
???
お前だけだった、そんなことを言ってくれたのは
???
お前だけだった、俺に寄り添ってくれたのは
???
本当に、ありがとう
???
お前のおかげだ。俺が間違いに気がつけたのは
橋本将生
!!
そして、キラキラと体が光に包まれていく。
???
今までに消した人は戻す
???
やっと、やっと安らかに眠れそうだ・・・
橋本将生
そうですか。それならよかったです。
???
本当に、ありがとう、
???
優しい、優しい人間よ・・・!
そう言うと同時に、彼は光の粒子となって消えた。
俺はそっと手を合わせた。
橋本将生
安らかに眠ってください・・・





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