第21話

Ep21
234
2024/06/14 06:47
松村北斗
もしもし、あなたのニックネームちゃん今大丈夫?
あなた
うん、今お昼休みだから大丈夫だよ。どうしたの?
松村北斗
俺も今収録の待ち時間でさ、あなたのニックネームちゃんの声聞きたくなっちゃってさ
あなた
…ふふ、私もほっくんの声聞きたいなーって思ってたから嬉しい
松村北斗
えぇほんとに?俺に合わせたでしょ
あなた
合わせてないよ!本心だからね
電話越しに拗ねる声が聞こえて、思わず笑ってしまうとあなたのニックネームちゃんの方からもケラケラと可愛い笑い声が聞こえた。

あの日からちょうど1週間

お互い予定が合わなくて顔を見れてはいないけど、それでも毎日電話で会話している。
本当は直接会いたいし触れたいなんて下心も有るけれどそれは我慢だ。
あなた
ところで今日の収録ってなんの番組?バラエティー?
松村北斗
ううん音楽番組だよ。今メンバーと一緒にいるんだ
あなた
音楽番組か、、、私ほっくんが歌ってるとこ見たことないや
松村北斗
嘘でしょ?え、SixTONES見たことないの?
あなた
……ごめんなさい、私テレビとか全く見なくてさ。実の所ほっくんと再会するまでSixTONES自体知らなかったんだよね
松村北斗
まーじか、、、じゃあ今日の収録明後日放送されるからさ見てよ。俺たち歌ってる時かっこいいから
あなた
分かった!録画もする
松村北斗
うん、ふふ楽しみにしててね
あなた
見たら感想送るね
松村北斗
電話してよ、声聞きたい
あなた
分かった。楽しみにしてるからがんばってね
松村北斗
うん!じゃあまた連絡する
誰も居ない楽屋の隅っこ、ツーツーと通話の切れる音が響いた。ちらりと見た鏡には口角が上がって幸せそうな顔の俺だけ……

では無くて、メンバー全員が入口で固まって俺を凝視していた。



待て待て待ていつからいたんだ?
全員で食堂行って俺だけパンで済ませたからまだまだ時間はあったはずなのに

ぽかんとしている慎太郎とジェシーにどういう感情か分からん顔の京本。半笑いの髙地にニヤニヤしている樹


やっちまったか、俺
松村北斗
……ん?みんなどうした、そんなとこ突っ立って
とりあえず何も無い振りをしてみた。が、やっぱり通じなかった
髙地優吾
いやいやいや、どうした?じゃねぇわ
森本慎太郎
北斗誰と電話してたの?ありえん顔してたよ
松村北斗
…別に?
ジェシー
HEHEHE!それは無理でしょ!やーばいニヤニヤしてたよ
松村北斗
あのさ、、、聞きたいんだけどいつからいたの?
髙地優吾
「あなたのニックネームちゃんの声聞きたくなっちゃってー」くらいからずっと
森本慎太郎
てか誰?あなたのニックネームちゃん?


序盤も序盤じゃねーか


てかなんで樹は気利かせて全員外出すとかしないのかね、全員傍聴しちまってんじゃねーか

にやにやしやがってコノヤロウ、、、皆には知らせるつもりなかったのに

恨みを込めて樹を睨めば、楽しそうな顔して京本の肩に腕を回した。
田中樹
まぁおめでとうじゃね?上手くいったってことでしょ
森本慎太郎
え!?樹知ってたの?
田中樹
おん、こいつ俺が相談乗ってやってたんだよ
森本慎太郎
俺も聞きてぇ!俺にも話してよ北斗ー!
松村北斗
うるせー絶対いや
ジェシー
おねがぁい!「あなたのニックネームちゃんの声聞きたい…」
森本慎太郎
「あなたのニックネームちゃんまた連絡するね」
俺の真似をするバカ2人にゲラゲラ笑うバカ2人


無駄な団結力を見せる4人に詰められるようにソファに座らされた。
これは言うまで逃がさないの顔だ。終わった
松村北斗
……写真、見る?
その瞬間に男子校ばりの歓声が上がり、写真を見せれば鼓膜がいかれるほどでかい声が響いた。
田中樹
あなたのニックネームちゃんめっちゃ可愛いじゃん!!!お前こんな子にアタックしてたのかよ身の程弁えろや
松村北斗
なんでだよ毒舌過ぎだろ
森本慎太郎
あなたのニックネームちゃん何歳なの?
松村北斗
俺と同い年、、、てか馴れ馴れしくあなたのニックネームちゃんって呼ぶの辞めて貰えます?
ジェシー
いいじゃーーん!なんでダメなのー?
松村北斗
齋藤さんだから、お前らは齋藤さんって呼べ
髙地優吾
齋藤あなたのニックネームさんって言うんだ
松村北斗
…齋藤あなただけど、お前らは齋藤さん!
田中樹
あなたちゃんかー名前も可愛いー
森本慎太郎
俺もあなたちゃん会いてえ!
ジェシー
俺も!
髙地優吾
俺も会ってみたーい、北斗が惚れるなんてどんな人なんだよ
田中樹
今度ライブ連れてこいよー
松村北斗
ぜっっったい嫌!
田中樹
は?お前相談乗ってやったじゃねえか連れてくんの筋だろうが!
松村北斗
訳わかんねぇわそんな筋は通さん!
そのあとも会わせる合わせないで揉めまくって、マネージャーに注意という名目で怒鳴られるまで俺たちの言い合いは続いたのだった。


プリ小説オーディオドラマ