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第3話

5つのゲーム
35
2019/10/09 09:54 更新
アド
みんなで、ゲームを楽しみましょう!
...あんなの見せといて。
楽しめる訳ない。


あいつ...狂ってる!


そんなことを思いながらも、生まれて初めて見た人が死ぬ瞬間が頭から離れなくて、思わず首をさすっていた。
奏斗
っ...!?
全然、気付かなかった。
自分の首に、首輪のようなものがつけられていたのだ。

よく見たら冬織の首にも、優香にも、緑にも...全員の首に、ついていた。



まさか...これのせいであの子の首がとんだ...!?



俺は恐ろしくなって、首輪を外そうと手に力を込めた...と、思ったら。
アド
あ、言い忘れてました!
参加者プレイヤーの皆さんの首に首輪リングをつけさせていただきましたよ。
これ、外しちゃダメですよ?
無理に外そうとすると...分かっていますよね?
という放送が流れ、慌てて手を外すことになってしまった。
冬織
なんだよこれっ...!?
もしかしてさっきのって、この首輪のせいなのか...!?
もう恐怖でしかない。
あちこちで泣き声が聞こえてきた。
ゲームの参加者
ひっ...!!!
嫌だ、死にたくないっ!!!
そしてとうとう、後ろの方でパニックにおちいった参加者プレイヤーの1人が無理矢理首輪を外そうとしてしまった。
奏斗
やめっ...!
俺達が止めようとしたのも虚しく。

『パシュッ』

そいつの、首が地面に転がった。
遊園地に叫び声が響き渡る。
俺達はその光景に耐えられなくて目を逸らしてしまった。
アド
あーあ、だからとってはいけないと申し上げたばかりなのに。
声だけであいつが楽しんでるのは明らかだった。

...人が死んだのを見て面白がるなんて...!
まるで、アイツみたいだ...!

恐怖より、怒りの感情が湧き上がってきて、思わず叫んでしまった。
奏斗
ふざけるのも大概にしろよ!!
...人を殺しておいて、そんなに楽しいのか!?
つい、言ってしまった...!
でも、間違ったことは言ってない。
みんなもちろん俺の怒鳴り声に驚いていた。
冬織
...その通りだ!
人の命がかかってるのにゲームなんて、いい加減にしろ!!
でも、冬織も怒り出したのをきっかけに、怒りの声が次々と飛んできた。
アド
...そんなこと言われても困りますねぇ
アドが話し出したのもお構い無しに怒りの声は大きくなっていく。
アド
まぁ、面倒くさいのでさっさとゲームを始めましょうか。
アド
...みなさん、生き残れると、いいですねぇ。
アドの異様な冷たさの声に、緊張感と静寂が辺りを包んだ。
アド
ゲームは全部で5つ。
全てのゲームが終わった時生き残っていればあなた方の勝ちですよ。
アド
あ、気になっていた人もいると思いますが、“生き残りゲーム”に勝てた人は元の世界に戻れます。
奏斗
(元の世界...?じゃあここはどこなんだ...!?)
そうは思いながらも、安堵感から緊張が少し解け始めた。
紫紀
なら、ただゲームに勝てば良いってことだな!
楽勝じゃん!
...そうだな!
早く帰ってサッカーしようぜ!
俺も、とっととゲームを終わらせて帰ろうと思い始めていた。










...でも、そんなのは軽すぎる考えだったとすぐ思い知ることになる。
アド
ゲーム内では助け合うも良し、裏切り合うのも良し。
アド
...もちろん、殺し合っても、かまいませんよ?
最後の、背筋が凍るほど冷たい声で放たれた面白がっている様な言葉。
大きなざわめきが起こった。



...そう。
これは命がかかってるんだ。



スピーカーの向こうでアドが笑っているような気がした。
あいつは...怖いくらい狂ってる...!
アド
1つ目のゲームは...
アド
『人狼ゲーム』です!

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