...あんなの見せといて。
楽しめる訳ない。
あいつ...狂ってる!
そんなことを思いながらも、生まれて初めて見た人が死ぬ瞬間が頭から離れなくて、思わず首をさすっていた。
全然、気付かなかった。
自分の首に、首輪のようなものがつけられていたのだ。
よく見たら冬織の首にも、優香にも、緑にも...全員の首に、ついていた。
まさか...これのせいであの子の首がとんだ...!?
俺は恐ろしくなって、首輪を外そうと手に力を込めた...と、思ったら。
という放送が流れ、慌てて手を外すことになってしまった。
もう恐怖でしかない。
あちこちで泣き声が聞こえてきた。
そしてとうとう、後ろの方でパニックにおちいった参加者の1人が無理矢理首輪を外そうとしてしまった。
俺達が止めようとしたのも虚しく。
『パシュッ』
そいつの、首が地面に転がった。
遊園地に叫び声が響き渡る。
俺達はその光景に耐えられなくて目を逸らしてしまった。
声だけであいつが楽しんでるのは明らかだった。
...人が死んだのを見て面白がるなんて...!
まるで、アイツみたいだ...!
恐怖より、怒りの感情が湧き上がってきて、思わず叫んでしまった。
つい、言ってしまった...!
でも、間違ったことは言ってない。
みんなもちろん俺の怒鳴り声に驚いていた。
でも、冬織も怒り出したのをきっかけに、怒りの声が次々と飛んできた。
アドが話し出したのもお構い無しに怒りの声は大きくなっていく。
アドの異様な冷たさの声に、緊張感と静寂が辺りを包んだ。
そうは思いながらも、安堵感から緊張が少し解け始めた。
俺も、とっととゲームを終わらせて帰ろうと思い始めていた。
...でも、そんなのは軽すぎる考えだったとすぐ思い知ることになる。
最後の、背筋が凍るほど冷たい声で放たれた面白がっている様な言葉。
大きなざわめきが起こった。
...そう。
これは命がかかってるんだ。
スピーカーの向こうでアドが笑っているような気がした。
あいつは...怖いくらい狂ってる...!












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。