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第5話

花満くんの隣は……
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2019/11/08 08:36


 放課後、私は先生に頼まれたプリントを届け終え、帰路につこうとしてた。

 下駄箱につくと丁度、花満くんが靴を履き替えていた。

松葉花音
松葉花音
(花満くん!!
どうしよう……声をかけても大丈夫かな? けど、私から話しかけたことないし……)
花満周
花満周
あれ、松葉ちゃん! 今、帰り?


 迷っている間に声をかけられ、私は今気づいたかのようなフリをしてしまう。

松葉花音
松葉花音
あ、あぁ、花満くん!
そうな……の! 偶然、だね!
花満周
花満周
……じゃあ、一緒に帰る?
松葉ちゃんも電車だったよね?
松葉花音
松葉花音
一緒に!? え、う、うん!
いいの?
花満周
花満周
もちろん!


 花満くんはかわいらしく微笑み、私が靴を履き替えるのを待ってくれた。




 学校を出て二人で帰り始めると、花満くんは私の方を振り返り困ったように苦笑する。

花満周
花満周
松葉ちゃん、
なんでそんな後ろにいるの?
俺、歩くの速いかな?
松葉花音
松葉花音
そんなことない……よ!
花満くんの背中を見ている方が……、なんか安心できて
花満周
花満周
そうなんだ?
松葉花音
松葉花音
(ごめんなさい、花満くん!
隠れて撮ってた癖なんだけど……、
そんなこと言えない!!)
花満周
花満周
うーん、
けど、こうやって2人で帰るの初めてだし、並んで歩きたいなぁー?


 花満くんは絶妙にかわいい角度で首を傾げ、ねだるような目で見つめてくる。




      ドキッ



松葉花音
松葉花音
(か、かわいい!!! 私がかわいい花満くんに弱いのわかってやってるよね!? けど、ニヤニヤしちゃうよ~!)


 少しうつむき気味になっていた顔を思い切って上げると、花満くんはいつもとは違う優しい笑みを浮かべて頭を撫でてくれた。




   ドキッ ドキッ ドキッ



松葉花音
松葉花音
(ひぃい! そのいつもより大人っぽい表情は何!? なんで!?)
松葉花音
松葉花音
え……っと、お邪魔……します


 そう言って、私は花満くんの隣に並んだ。

花満周
花満周
ははっ、どうぞ?
松葉花音
松葉花音
は、花満くん! わかっててかわいくして……る、よね!?
花満周
花満周
あ、バレた!? ごめんね、けど松葉ちゃんはかわいい俺が見れて、俺は松葉ちゃんと並んで歩けるから、ウィンウィンでしょ?
松葉花音
松葉花音
えっ……えっと!?(それはどっちも私にいいことなんだけど!? いや、そうじゃなくて、花満くんも隣を歩けて嬉しいの!?)
花満周
花満周
あははっ、松葉ちゃんの百面相おもしろいなぁ


 隣で見る花満くんの笑顔は今までよりも近く感じた。

 それは当たり前のことだけど、そういう物理的な距離の話ではない。

 隣で笑顔の花満くんを見て、彼と仲良くなれていることがやっと実感できた。


 一人で花満くんを撮っていた頃とは違う喜びが、胸いっぱいに、溢れだしてしまいそうなほど生まれている。

松葉花音
松葉花音
ふふっ、あはは!
もうっ、花満くん笑い過ぎだよ!
花満周
花満周
あ! やっと笑ってくれた!
松葉花音
松葉花音
え? ……あ
花満周
花満周
俺、松葉ちゃんのその笑顔も好き!
松葉花音
松葉花音
すっ!?
花満周
花満周
あはは、また百面相してるよ!



 駅までの長い通学路は、二人で歩くととても短く感じる。いつまでもいつまでも歩いていたいと思ってしまうほど、楽しい時間だった。




 2人で改札を通ろうとした時、すれ違った他校の制服を着た男の子が花満くんを呼び止める。

他校の男子生徒1
花満! 久しぶりだな!
花満周
花満周
ん? あぁ、久しぶり! お前なんでこんなところいるの?
他校の男子生徒1
バイト! ……隣のその子は?
花満周
花満周
うーん、俺のかわいい同級生!
松葉花音
松葉花音
花満くん!?
他校の男子生徒1
ふーん、……元気になったんだな花満
松葉花音
松葉花音
(元気になった?)
花満周
花満周
まぁね
他校の男子生徒1
んなら、よかった! あ、バイト遅れるから、じゃあな!


 その男の子を見送る花満くんは、これまでに見たことがない悲痛そうな表情をしていた。

 けど、それは一瞬で、彼はまたいつも通りの笑顔を私に向けてくれる。

花満周
花満周
行こっか、松葉ちゃん!
松葉花音
松葉花音
う、うん!
松葉花音
松葉花音
(私が隣にいるのを見て元気になったって言ったのかな? なにか女の子関係で辛いことがあった……? けど、私がそんなことまで聞いちゃ、だめだよね……)