その夜、傷の手当てのために蝶屋敷へ向かう。
しのぶさんが出迎え、私達の姿を見てふっと笑った。
肩や腕に巻かれた布が血に染まっているのを見て、呆れ混じりの声を出す。
治療を終えて布団に横たわると、体は痛みで軋んでいたが、心は不思議と軽かった。
冨岡さんや蛇柱様と交わした戦いも、すべてが力に変わっている。
(……これからも、きっと私は――)
静かな蝶屋敷の夜、目を閉じると
''母の歌声’’
が聞こえた気がした。
数日後。治療を受けて安静にしていた私は、縁側で夕方の風に当たっていた。
すると、廊下の向こうから元気な声が響く。
炭治郎が駆け寄ってくる。
後ろには善逸と伊之助の姿もあった。


















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。