襖をそっと開けると、薬草の香りがふわりと漂った。
中では、冨岡さんが包帯を巻かれながら静かに座り、
蛇柱様は片腕に添え木をあてられて渋い表情をしていた。
彼の声は相変わらず感情を読み取りにくいが、気遣いが含まれているのがわかる。
蛇柱様を見ると少し睨むように目を細めて、低い声を返す。
その時、襖が音を立てて開き、しのぶさんが入ってきた。
冨岡さんは黙って視線を落とす。
そんなやり取りに、蛇柱様が小さく鼻を鳴らした。
顔色を見ると、本当に私を認めてくれたみたいだった。
冨岡さんと伊黒さんが同時に首を傾げ、顔を見合わせる。
息ぴったりに否定し、私としのぶさんは声を合わせて笑った。
















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!