第12話

周辺調査.
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2025/09/04 12:00 更新




山あいの小さな村に私たちは足を踏み入れた。
家々は板戸を閉ざし、まるで息を潜めるように静まり返っている。


伊黒小芭内
伊黒小芭内
……不気味なほど静かだな

蛇柱様が周囲を睨むように見渡し、低く呟く。
肩に乗る鏑丸も、チロリと舌を出して警戒していた。
(なまえ)
あなた
人影がありませんね、
冨岡義勇
冨岡義勇
⋯まず周囲を観察しよう


私は二人の後ろを歩きながら、ふと唾を飲み込んだ。
(村人は……本当にまだ生きているのかな)

伊黒小芭内
伊黒小芭内
お前⋯
不意に蛇柱様の視線が私に向いた。
伊黒小芭内
伊黒小芭内
恐れるな。怯んだ隙を奴らに突かれる。
(なまえ)
あなた
はい、すみません、
冨岡義勇
冨岡義勇
……大丈夫だ
俺たちがいる。


今度は冨岡さんが短く付け加える。
表情は変わらないけれど、その声音は妙に安心感をくれる。
伊黒小芭内
伊黒小芭内
村の中心に集会所があるはずだ。
そこを拠点にする。いいな?
(なまえ)
あなた
はい、
冨岡義勇
冨岡義勇
⋯無論
伊黒小芭内
伊黒小芭内
夜が来る前に痕跡を探す。動け


私たちは三人で村の奥へと歩を進めた。
ところどころ、地面には大きな引きずった跡や、乾いた血痕が残っている。

伊黒小芭内
伊黒小芭内
鬼か⋯
(なまえ)
あなた
この血痕からすると、ここ数日のものですね。

伊黒小芭内
伊黒小芭内
⋯村を調査しよう









村の奥へ進むと、閉ざされた板戸の隙間から、怯えた瞳がこちらを覗いていた。
冨岡さんが足を止め、静かに声を掛ける。

冨岡義勇
冨岡義勇
……鬼殺隊だ。危害は加えない

 しばし沈黙があったのち、ギィ、と板戸がわずかに開き、中年の男性が姿を見せた。
顔色は土のように青白く、憔悴しきった様子だった。
村人
⋯⋯鬼狩り様⋯、?
伊黒小芭内
伊黒小芭内
そうだ。
お前たちの村で鬼が出ていると聞いた。
詳しいことを話せ

 村人は怯え、ちらちらと私たちを見渡す。
私はなるべく柔らかい声で口を開いた。
(なまえ)
あなた
安心してください。
私たちが必ず皆さんを守ります。
ですから、知っていることを教えてください。


その一言で、男性の肩の力が少し抜けたように見えた。
村人
……あの夜から、村は地獄で……
村人
突然、闇の中から鬼が現れ、畑を、家を、人を……何人も……。抵抗した者は皆……
冨岡義勇
冨岡義勇
生き残った者は?
村人
……数えるほどです。
皆、家に閉じこもり、夜が明けるのを祈るばかりで……。
だが、夜ごとに誰かがいなくなる。まるで鬼に連れ去られるように……

 私の背筋に冷たいものが走った。
(毎夜、人が消えてる……。じゃあ今夜も……!)
伊黒小芭内
伊黒小芭内
鬼の姿を見たか?
村人
いえ、私は⋯。
すみません⋯、


伊黒小芭内
伊黒小芭内
⋯無用に外へ出るな。
戸を固く閉ざしていろ。
夜が明けるまで絶対に出るな

伊黒さんが鋭い口調で村人に言い放つ。
村人
……は、はいっ……!

村人は深く頭を下げ、板戸を固く閉じた。
再び静寂が訪れる。
 私は二人の横に並び、小さく息を吐いた。
(なまえ)
あなた
……生き残ってる人がいるなら、絶対に守らなきゃ。
冨岡義勇
冨岡義勇
守るのは当然だ


茜色に染まった空がゆっくりと闇に沈もうとしていた。
冨岡義勇
冨岡義勇
俺と伊黒で周囲を警戒する。お前は──

言いかけた冨岡さんを、伊黒さんが遮る。
伊黒小芭内
伊黒小芭内
あなたの名字を足手まといのように扱うな。
俺が見ている。

空気が一瞬だけ張り詰める。
ふたりの間に言葉にならない火花が散るのを感じて、私は慌てて口を開いた。
(なまえ)
あなた
……あ、あの。私も出来ることはやります。置いていかないでください
伊黒小芭内
伊黒小芭内
ふん……せいぜい足を引っ張らないようにな




蛇柱様はそう言って視線を逸らす。
その横で、冨岡さんは少しだけ目を細めた。
 刻一刻と夜が近づく。
私たちは村の中心にある集会所へ足を踏み入れ、戦いの時に備えてそれぞれの呼吸を整え始めた──。

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