天野あなたの下の名前side
ガランと寂しくなった部屋を見渡す
ついに明日
私は明日退学、呪術師を辞める
……別に、元は呪術師がしたかった訳じゃない
五条悟を殺したかった訳でもない
この世が乱れている、そんなことどうでもよかった
……ただ、姉さんのことをもっと…聞きたかった
私はまだ幼かったから、
大して記憶に残っていなかったんだ
人柱としての姉さん、それも知らない
きっと…誰にでも分け隔てなく優しい姉さんのことだ
目に映ることは全て救ってきたんだろうな
私だってそんなに鈍くはない
…姉さんの話から、
その五条悟という人に想いを寄せていること
……叶えてあげたかった
姉さんに…幸せになってほしかった
ごめん…姉さん……
あの世で色々聞かせてね
in 翌朝
本当は
言うつもりなんて
さらさら無かった
…こういうとき
変に
温かい
伏黒恵side
五条先生がそうあなたの下の名前に問いかけると
あなたの下の名前は若干俯いて、唇を固く結んだ
呪術的に納得のいく話…?
辞めた方が都合がいい…ってことか
それもあなたの下の名前のために…だ
この件の言い出しっぺは五条先生だろうが…
そりゃあ呪術師をやっているから、いざという時
死ぬ覚悟くらいはあるわけで…
その覚悟が欠如していることはないし、最初の任務でイカれ具合についても測った
何なら俺が目の前で確認している
釘崎の言う通り、上層部にとって失くなったら
惜しい存在…いや、五条先生にとってもその筈だ
辞めさせる理由はそこではない、ということ
実力が無くて辞めさせるわけではないのであれば
辞めさせなければならない理由が保守的だということ
あなたの下の名前の身の安全が優先されたということ
何のために…?
……死んではいけない…?
呪術師はいつだって命懸けだ
いつ死ぬかなんて分からない
それでも平和のために呪いを祓う
Next…












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。