その時なぜか私はお花畑にいた。鈴蘭畑だ。春の心地よい風が吹くとサワサワサワ……と鈴蘭が揺れている。私は黒のパーカーに黒のスカートを着ていた。なんともダサい格好に私は笑ってしまう。こんなの不審者じゃんって。
鈴蘭畑の鈴蘭が一瞬にしてグシャッとぺたんこになった。私は上を見上げた。私は刀を鞘から抜いて走り出した。
バサっと起き上がる。布団の上。夢か…と呟きながら頭を掻く。寝癖がピョンとついている。夢の中で鈴蘭畑を見るのは今日が初めてではない。確か、2、3回は見たことがある気がする。
ベッドから起き上がり、カーテンを開け窓の外を覗き込む。朝日が上って間もない、薄暗い黄色の空が広がっている。
私はパジャマのまま昨日コンビニで購入した歯ブラシを持って洗面所に向かった。
洗面所に向かう途中、善逸くんに会った。昨日の黒のパーカーを抱えている。
私は寝癖をものすごいスピードで押さえつけて「おはよう」と返した。
スマホ……鬼に真っ二つにされちゃったんだ。最悪。こんなことある?あり得ない。今日は携帯会社の店舗で一日が終わってしまいそう。
寝癖を押さえながらの会話は気まずくてそう言って私は洗面所に向かって走る。
善逸くんが走る私の背中に向かって叫ぶ。「わかってるって!」そう返事をして洗面所へと階段を下った。
───善逸side───────────⚡─
パジャマのまんま、廊下にいたあなたちゃん。いや、パジャマのまんま廊下を歩くなんてシェアハウスで女の子がすることじゃないよ……!いや、かわいい……。かわいい。パジャマのあなたちゃんって男子なら俺だけ見てたいな。炭治郎や伊之助には見せないんだから。
───あなたside───────────🍀──
白色のワンピースに水色のカーディガンを羽織った私は伊之助くんとキッチンにいた。
みんなに『おはよう』を言いに回っていたら伊之助くんが食パンにとんかつソースをかけているのを見つけて慌てて止めた。昨日、私は途中で寝たんだけれど朝食係は伊之助くんと決まったみたい。
伊之助くんに任せておいたらシェアハウスのみんなが一緒にお腹壊すから、一緒に作ることにしたんだけど、かれこれ15分くらいかかってる。
伊之助くんがキッチンで暴走して伊之助くんのパーカーがたくさん汚れていたから私のエプロンをつけてあげた。水色のレースのついたエプロンだけど美少女顔だからホントに似合ってる。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!