「ふざけるな!!!」そう叫んだ炭治郎くんからはとんでもない厚が感じられた。
どうしていいか分からなくてその場に立ち竦む。善逸くんも同じみたいであたふたとしている。
炭治郎くんはベンチから勢いよく立ち上がると私に向かって低音で怒鳴った。
私も負けじと叫んだ。
急な呼び捨てに聞いたこともない声に少しからだが震えた。でも、負けてられない。
両親がいない今、新しい扉を開いてみたい。それが誰かのためになるならば、なおさら開きたい。
なぜ炭次郎くんがこんなに怒っているのか……それは分からない。どうして?なんで?分からないことだらけ。怒られる理由が分からない。
もうわけわかんない!めちゃくちゃよ!
私なにも悪いこと言ってないのに。
ピタリと炭治郎くんの動きが止まった。
空気がガラリと変わった。
炭治郎くんがスタスタと携帯ショップ内に入っていった。なにこの空気。なにこの状況。
私は訳もわからずその場に立ち尽くすしかなかった。
──炭治郎side──
あなたが俺たちに協力すると言ったとき、頭がはち切れそうになった。
あなたに意地悪をしかったわけではない。寧ろ、あなたの意思を応援してあげたかった。でもなんというか……女の子が…あなたが鬼と立ち向かうような姿を見たくはないんだ。なんだかあなたは昨日会ったばっかりには見えないんだけど……
もうどうしていいのかわからくなってきた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。