夜ご飯の時間。
結果発表が終わって、
練習ももうない。
顧問の一言で、
空気が一気に緩む。
食堂。
いつもより、
少し明るい。
でも──
胸の奥は、
まだドキドキしてる。
トレーを持って、
席を探していると。
涼架先輩。
少し慌てた様子で、
手を上げる。
ふわっとした笑顔。
隣に座る。
……近い。
涼架先輩、
おかずを見て
首をかしげる。
覚えてた。
自然すぎて、
断れない。
ちょっと、
満足そう。
もぐもぐ食べながら、
突然。
軽い声。
若井先輩。
トレーを持ったまま、
当然みたいに立ってる。
勝手に座る。
涼架先輩、
少しだけ困った顔。
でも若井先輩、
あなたの下の名前の方を見て。
にっと笑う。
さらっと言うのが、
刺さる。
その横で。
涼架先輩、
少しだけ前に出る。
ぽつり。
若井先輩、
一瞬だけ目を丸くして。
涼架先輩、
少し照れて。
……なにそれ。
若井先輩、
くすっと笑って。
あなたの下の名前を見る。
冗談っぽいけど、
本気。
涼架先輩が、
小さくため息。
でも。
若井先輩は、
にやっと笑って立ち上がる。
意味深。
涼架先輩、
耳が赤い。
若井先輩は、
それを見て満足そうに──
軽く手を振って去っていく。
残った2人。
涼架先輩、
少しだけ気まずそうに。
小さく笑う。
そう言うと、
涼架先輩は
少しだけ目を伏せて──
ふわっと笑う。
気が抜けた夜。
ただの夜ご飯。
なのに。
3人の関係が、
少しだけはっきりした時間だった。

















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。