結果発表が終わって、
全体解散。
廊下に、人の声が散っていく。
楽器ケースを持って、
角を曲がろうとしたとき。
声。
振り返ると、
涼架先輩が立っていた。
人気のない音楽室の前。
扉は閉まっていて、
廊下の灯りだけが差し込む。
涼架先輩、
一瞬だけ言葉を探す。
それから、
ゆっくり。
真正面から。
胸が、
ぎゅっとなる。
声が、
少し震える。
そう言うと、
涼架先輩は
小さく首を振る。
間。
少しだけ、
声が柔らぐ。
……そんな言い方、
ずるい。
勇気を出して。
涼架先輩、
一瞬だけ目を伏せて──
小さく笑う。
少し照れた声。
沈黙。
でも、
気まずくない。
視線が、
まっすぐ。
近い。
でも、
触れない。
すれ違いざま。
涼架先輩が、
ほんの小さな声で──
それは、
先輩じゃなくて。
同じ舞台に立つ人の言葉だった。















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。