第4話

1話 お願い食べないで!
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2024/04/09 22:00 更新
ぷりっつ視点
ぷりっつ
ヒッヒッヒ、こんな近寄ってもバレんとか俺やっぱ狩りサイキョー!
貴重な餌を逃さないためにある程度まで走った後、俺はじわじわと足音を殺して鳥に迫る。
獲物の近くに来て分かったが、翼に怪我をしてるのか。どうりで動きが鈍いわけや。
ぷりっつ
捕……まえたっ!!
ちぐさ
『ニョ?ニューーーーー!!!』
タイミングを狙って俺は獲物を馬乗りにして押さえつける。
多分、悲鳴を上げる獲物側は何が起きたかよく分ってない。
あっきぃ
腹ペコな割にぷりちゃんやるじゃん。ナイス!
少し遅れてあっきぃが現場に到着する。
腹ペコな割には余計だが、褒めらると気分はアガる。
こいつ、チビのくせに毛の下はモチモチしてるな、旨そう。
ぷりっつ
どこから食う?やっぱ腹か
あっきぃ
鳥は脚の方とか骨がカリカリしてて良いんじゃない?
ぷりっつ
じゃあとりあえず羽根千切るわ
勝ち確を感じた俺らはこんな調子でどこが旨そうか呑気に話していた。俺が3本くらい羽を引き抜くと、思わぬ音が獲物の嘴から発せられる。
ちぐさ
ひゃあああ、何でもしますからお願い食べないで!
あきぷり
どわぁあああ、喋った!?
俺達が思うのも何だが、マジでビビった。
俺によるホールドが外れると彼はジタバタ暴れて抜け出したが、腰を抜かしたせいなのか走って逃げようとすらしない。
悪くない筋肉と脂の割にへなちょこ魔物過ぎんか?
わなわなと泣きながら命乞いする様はかなり滑稽で思わず2匹で顔を見合わせる。
ぷりっつ
お前…その体とメンタルでどうやって飢えずにやってたんや
俺達みたいに群れて動けば話は変わるが、こいつは単独。潜れるような深い湖もないこの辺りじゃ普通こんな手負いの魔物が生きるのは無理ゲーだ。
ちぐさ
えっと、その、僕元々人間だから腐ってなければ結構何でもいけるタイプだったんですけど、群れの中には上手く馴染めなくて…だから適当に甘い木の実突いて食べてました
あっきぃ
あ、あぁ、なんかごめん
ペラペラ言葉を言える時点で嘘には見えないし、ほんまモンの人間卒業したタイプの輩ようだ。
このタイプの奴は嘗ての同族に虐げられたり、最悪狩られる運命だ。精神的には俺達よりもキツイだろう。
ぷりっつ
その折れた羽はどこでやられたん?
ちぐさ
昨日余所見してたら木に刺さってしまって、いつもはこんなドジしないんですけど…
うわ、痛そ。
あっきぃ
流石にこの子を昼飯にするのは酷じゃない?
酷いなぁ、冗談でもいいからそこは俺の肩を持ってくれよ。
ぷりっつ
分かった、分かった、お前みたいな哀れな奴を襲う程俺らもゲス外道やない。今回は何もしないでやるわ
普通の魔物だったら、どんなに喚こうが情関係なく今頃食べとるやろうけど、流石にこいつを見捨てて食べるのは正直余りにも可哀想だ。
ちぐさ
…ほんとに?
ぷりっつ
ただーし、1つだけ条件がある
俺は前脚を高々と掲げる。
ちぐさ
どんな条件ですか?
ぷりっつ
俺達腹ペコで死にそうだからええ感じの餌場教えて…
魔物図鑑

B級魔獣ライクテュス

ペンギンのようなクチバシに犬のような肉球付きの後ろ足を持つ空と海を狩り場にする中〜小型の怪鳥。一応雑食だが肉類の方が好んで食べる。個体によってはA級並の強さだが、手を出さない限り人間そもそもへの攻撃性が低いので等級はBと定められた。
人に懐きやすく、見た目の可愛さも相まって地域によっては家畜化もされてるが、食用としての運用よりも移動の脚としての活躍が多い。
因みに"にょ"はちぐさの口癖というより、種そのものとしての鳴き声である。

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