第5話

コンビニでのお話
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2024/03/03 02:17
(なまえ)
あなた
ん~…どれ買おっかな…
午後8時、空はもう黒く染まっていた。あなたは今、近所のコンビニに来ており、酒の棚の前でにらめっこしていた。
今夜はビールでも飲むのだろう。年齢より若く見られる童顔は今でもビールを買う度に身分証明書を出さなくてはならないので大変迷惑ではなかろうか。…いや、あなたはそこまで考える人間では無いか。
うんうんとうねった結果、あなたはいつも飲んでいる缶ビール2本をコンビニかごの中に乱暴に入れた。つまみは家で作るのだろう。ビールだけ入れている寂しいかご、何のためのかごなのだろう。手で持っていけばよいのに。
上機嫌でレジに向かうあなた。するとレジの方でとある人物を目にして更に口角を上げた。その人物の肩を後ろから ポンッ と叩いた。
(なまえ)
あなた
コネシマくん、やっほぉ。
kn
ぁ゛?……え、あなた?!
とある人物はコネシマのことであった。レジで何かを買っている途中、あなたが話しかけたのが現状だろう。
(なまえ)
あなた
(何買ってるのかな…)
ひょこっ とコネシマのかごを覗くとそこには安定の鮭おにぎりが数個にお菓子にアイスだったり色々な物が入っていた。中には子供の知育菓子も入っていた。
(なまえ)
あなた
……コネシマ君、こういうのするんだね。
kn
え、ぁ、や…ちゃうわっ!
これは俺のやなくて…!!
(なまえ)
あなた
いや、いいと思うよ?確かに知育菓子は楽しいもん!
kn
だからちゃうわッ!!
受け入れようとするあなたと全力で否定するコネシマ。確かに好きな人にはこういうのはバレたくは無いだろう。
だが、冷静に考えてみろ。本当に彼がするだろうか。…いや、案外するのかもしれない。そこはまぁ一旦置いといて、これは別に彼が買おうと思ってかごに入れた訳ではない。
では誰が入れたのか。そんな疑問は直ぐに答えが出る。
なぁなぁ、これも買ってくれや!
(なまえ)
あなた
ん?
あなたの隣に茶髪ボブの男がコネシマのかごに知育菓子をポンポンと入れた。コネシマは チッ と舌打ちした後適当に返事をした。
知育菓子をかごに入れていた犯人はシャオロンである。コネシマの不良仲間であるシャオロンはあなたが居ることに気付いて頭にクエスチョンマークを浮かべていた。
sho
お前誰?シッマの女?
kn
おぉ゛ぃ!!シャオロンッ!!!
何てこと言うねんッ!!!
(なまえ)
あなた
コネシマくんの女…?
kn
あなたも真面目に考えんでええわッ!!!
レジの前で行われるコント。ずっとレジ前にいる為、店員はヒクヒクと顔を引きつらせながら三人に声をかけた。
店員
あのぅ……早くお金払って貰ってもいいですかねぇ??後ろのお客樣に迷惑ですので…!
kn
ァ、ハイ…スンマセン…。
kn
お前らのせいで怒られたやんけ…。
コンビニを出て しゅん としているコネシマ。彼もこういう反応をするんだな とあなたは思う。
(なまえ)
あなた
ごめんね…?
sho
いや、気落ちしてて草。
kn
殺すぞテメェ。
仲の良い(?)二人を見てあなたは微笑んだ。その笑みを見てコネシマは顔を赤く染め、シャオロンはそんなコネシマを見て ニヤニヤ としながら肘で突つく。
その後、シャオロンが拳骨を喰らったのは言うまでもない。拳骨を喰らった彼はあなたを数秒見つめた後、彼女に ずいっ と顔を近づけた。
sho
そういや名前言うとらんやったな。
sho
俺はシャオロン。宜しくな!
(なまえ)
あなた
私はあなた!宜しくね~!
コミュ力の高いシャオロンはすぐにあなたと仲良くなれるだろう。側でその状況を見ていたコネシマは面白くなさそうにシャオロンを睨みながら溜め息を吐いていた。
楽しそうに笑うあなた、そんな彼女は笑顔のままこう言った。
(なまえ)
あなた
そうだ!今から二人ともうちに来ない?
 
 
  宣伝通ります !
  是非 !

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