第2話

プロローグ2
12
2024/06/21 22:00 更新
月曜日の放課後―。

部活が終わって、後片付けをしている時だった。
アミオ
アミオ
ビビ…
ちょっといいかな?
ビビ
ビビ
何の用だ?
ノブヒコ
ノブヒコ
うん…。
ちょっと、場所変えようか…。
ビビ
ビビ
んだよ★
めんどぐせぇなぁ★
と言いつつも、アミオの雰囲気から、他人に聞かれたくない、かなり大事な用だと、ビビは悟った―。



ビビとアミオが来たのは、図書室―。

ビビとアミオは、図書室の最奥に行く…。

図書室の最奥は、あまり人が来ないからか、やや埃っぽい…。

分厚いカーテンが、外からの光を遮っているため薄暗く、ちょっとした密室のような感じだ。

本棚には、学生が読むとは思えないような、大きな図鑑のような本が納められている。

これが、ちょっとした防音壁の役目を果たすため、あまり大きな声を出さなければ、内緒話をするのには、ちょうどいい場所だ。
ビビ
ビビ
こんな場所に連れ込むなんて…
よっぽど、大事な話のようだな?
アミオ
アミオ
うん…。
その…
僕…
シオリに告白しようと思っている…。
ビビ
ビビ
(!?)
頭の中が真っ白になるビビ…。

膝が細かく震えた。
ビビ
ビビ
(なんで…
なんで、そうなるの…?)
ビビ
ビビ
(私は、初めてアミオと会った時から…
ずっと…
ずっと、アミオのことが好きだった…。)
ビビ
ビビ
(私がアミオのことが好きなんだから…
アミオだって、私のことが好きなはず…!!)
ビビ
ビビ
(なのに…
どうして…?
どうして、アミオは、私じゃない、他の女を好きになるの―!?)
ビビ
ビビ
(ありえない…
そんなの、絶対、ありえないッ!!
アミオが、私以外の女を好きになるなんて、絶対、許さない…ッ!!
私はアミオのモノ…
アミオは私のモノなんだッ!!
アミオを、他の女になんて、渡してたまるかッ―!!)
ビビ
ビビ
何で…
そんな話を、私にする…?
アミオ
アミオ
何でって…
その…
アミオの様子を見たビビの、膝の震えは止まった。

アミオの様子から、何の自信も覚悟も感じられなかった。
ビビ
ビビ
振られたら、笑ってやる☆
ビビ
ビビ
(大丈夫だ…。
アミオは振られる☆
しかし、念には念を入れておこう―。)


火曜日の放課後―。

ビビはシオリを呼び出し、図書室の最奥に連れ込んだ。
シオリ
シオリ
こんなところで…
何の用ですか?
ビビ
ビビ
単刀直入に訊く…。
お前…
アミオのこと、好きか?
シオリ
シオリ
は?
ビビ
ビビ
質問に答えろッ!!
アミオのことが好きなのかッ!?
シオリ
シオリ
その質問に対し、私が『はい』と答えたら…
どうしますか?
ビビ
ビビ
手を引け…!!
それを聞いたシオリは吹き出した。
シオリ
シオリ
ビビ…
貴女、自分が何を言っているのか、わかって
ビビ
ビビ
こいつは、お願いしてるんじゃないんだ…ッ!!
アミオがクリスマスに、お前に告白する。
それを断ってほしい。
シオリ
シオリ
なるほど…。
私に振られて、傷心のアミオ君を手籠めにするんですか…。
シオリ
シオリ
最低ね…!!
ビビ
ビビ
何とでも言え…!!
私はアミオのモノ…
アミオは私のモノなんだ…ッ!!
シオリ
シオリ
もし…
私が裏切ったら…?
ビビ
ビビ
その時は―
と、ビビは、制服の胸ポケットから、カッターナイフを取り出した―。



12月24日運命の日
シオリ
シオリ
ごめんなさい…。


その日の夜…。

アミオは、ノブヒコの家に行き、顛末を語った…。
ノブヒコ
ノブヒコ
どうして、クリスマスにお前の失恋話を聞かされなきゃならないんだ★
アミオ
アミオ
ごめん…。
ノブヒコ
ノブヒコ
だから言ったろ?
自信も覚悟もねぇのに告白したって、OKもらえるわけねぇだろ★
アミオ
アミオ
うん…。
ノブヒコ
ノブヒコ
ま、これに懲りたら、素直にビビと付き合うんだな☆
と、ノブヒコはシャンパンを出した。
ノブヒコ
ノブヒコ
ヤケ酒ならぬヤケシャンパンだ☆
飲め☆
と、ノブヒコがコップにシャンパンを注ぐ。
アミオ
アミオ
一応、シャンパンも酒だよ★
と、アミオは、ノブヒコが注いでくれたシャンパンを飲んだ。
ノブヒコ
ノブヒコ
でもな…
正直言うとよ…
オレも、お前がフラれたことに驚いてんだ…。
アミオ
アミオ
ノブヒコの言う通りだったんだよ…。
僕には、シオリと付き合う自信も無ければ、覚悟も足りなかったんだ…。
ノブヒコ
ノブヒコ
そうかな?
どうも、腑に落ちん。
アミオ
アミオ
何が?
ノブヒコ
ノブヒコ
勝ちに不思議の勝ちあり
負けに不思議の負け無し
ってやつだ。
アミオ
アミオ
何だよ、それ?
ノブヒコ
ノブヒコ
不思議な負け…
つまり、お前がフラれる要素が思い当たらん。
アミオ
アミオ
だから、それは僕に自信と覚悟が無かったからだよ。
ノブヒコ
ノブヒコ
だとしても…
何か、釈然としないんだよなぁ…?
アミオ
アミオ
心配してくれて、ありがとう。
じゃ、そろそろ帰るよ。
気も晴れてきた。
ノブヒコ
ノブヒコ
そうか…。
じゃあな。


時間は遡る―。


シオリがアミオと別れた後…
シオリ
シオリ
これでいいの…?
と、シオリは、背後にいる人物に向かって、振り返ることなく言った。
ビビ
ビビ
ありがとう…。
と、シオリの背後に立つ人物―

ビビが、力無く答える。
シオリ
シオリ
礼なんて言わないで…!!
と、涙を流すシオリ。

そして、ビビの方に振り向き
シオリ
シオリ
私は…
アミオ君のことが、好きだったんだから…!!
と、シオリは、これまで抑え込んできた感情を爆発させた―!!
シオリ
シオリ
あああああ…!!
と雄叫びをあげ…

シオリは右拳を、ビビの腹に叩き込んだ…!!
ビビ
ビビ
ぐは…ッ!?
と、腹をかかえ、うずくまるビビ…。


まったくの想定外だった…。

まさか、シオリがこんなことをしてくるなんて、思いもしなかった…。
シオリ
シオリ
感謝するのね!!
顔を殴ってやろうと思ったけど…
ビビの腫れあがった顔を、アミオ君が見たら…!!
ビビ
ビビ
(なん…だって…!?)
シオリに腹を殴られた激痛で、いまだ、うずくまるビビは、シオリの慟哭を聞いて、驚いていた。
ビビ
ビビ
(自分が振ったアミオのその後の事まで気遣うなんて…。)
シオリも、本気でアミオのことが好きだったのだ…。

しかし、それゆえ…

ビビにとって、シオリは…

許すことのできない敵なのだった…。




アミオが自宅に帰ってきたが、両親はいなかった。
アミオ
アミオ
(クリスマスだというのに仕事とは…。
父さんも母さんも、ブラックな会社に努めてるなぁ…★)
と、アミオは自室でガンプラを作っていたら…

インターホンが鳴った。
アミオ
アミオ
(誰だろう?)
と玄関に行き、ドアの覗き窓を覗くと…
アミオ
アミオ
(えっ?
ビビ!?)
ドアを開けるアミオ。
ビビ
ビビ
メリークリスマス☆
と、意地悪っぽい笑みを浮かべているビビ。
アミオ
アミオ
どうしたんだよ、こんな時間に?
ビビ
ビビ
お前が家にいるってことは…
シオリにフラれたな★
アミオ
アミオ
・・・。
ビビ
ビビ
言ったろ?
シオリにフラれたら、笑ってやるって☆
アミオ
アミオ
(本気だったのかよ…★)
と、アミオはあきれつつも
アミオ
アミオ
上がってよ。
寒いし…。
と、ビビを家に入れた―。


(つづく)

プリ小説オーディオドラマ