日曜日、楠野くんとの約束もなく、私は、一人でクッキーを焼くことにした。
慣れないチョコチップまでいれて焼いてみる。
13分後、レンジから取り出したクッキーを見て驚く
きれいな焼き色のついた香ばしい香りの漂うクッキー。
それは、前までの私ならあり得ない出来映えだった。
あ、、、
ドキドキドキドキ・・・
心臓は楠野君のことを考えるだけで、
騒がしくなる。
買っておいたラッピングを手に取り、
綺麗に包んでいく。
リボンを結び終わると、私は上着を手に、家を出た。
といっても、家はとなり。
ピンポーンとインターホンを押すと、
楠野くんらしき人の声が機械通しに聞こえてくる。
私が言い終わらないうちに、ガチャっと扉があき、楠野くんが顔をだした。
瞳をきらきらさせ、そういってくる彼に、
またも、心奪われる私。
恐る恐る差し出すと、すぐにそれを受け取り、クッキーを頬張る。
褒められて、前のめりに聞く私をみて、苦笑いを浮かべながら二つ目に指をのばした。
えへへと笑ながらいうと、彼はこういった。
そんなこと、、いわないでよ
勘違いしそう。
自惚れて、、、
でも、少しは自信もっていいのかな?
ねぇ、楠野くん。
バレンタインまで、あと三週間💕












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。