第12話

S.1 -Eleven-
65
2023/09/10 23:08
窓辺 優奈
窓辺 優奈
………あれ?
机の中に教科書類を入れていると、何か光るものが机の中に見えた。

そっと出してみる。と、











それは、カッターの替え刃だった。
窓辺 優奈
窓辺 優奈
……誰、こんなことしたの…、

まぁ、1人しかいない、いや、複数犯だろうけど。

なんか嫌だな、と思いつつ、

嫌なくらいに黒光りする替え刃をティッシュで包んだ。




机の上に置いておけば、怪我なんてすることはないだろう。
クラスメイト
クラスメイト
おはよ〜‼︎
窓辺 優奈
窓辺 優奈
あ、おはよー‼︎
さて、今日も普通に振る舞うしかないね。

うちのクラスメイトには迷惑かけられないから…、
窓辺 瑛人
窓辺 瑛人
よし、生徒会室の掃除も終わったし、そろそろ行くか…、
そんな独り言を誰もいない生徒会室で呟き、生徒会室を後にした。

今日することは、今日の授業は、小テストがあったかどうかんなんかを考えながら生徒たちと共に教室にはいる。












窓辺 七海
窓辺 七海
あいつまた生徒会気取り?w
窓辺 望
窓辺 望
それな〜あんなやつ生徒会だったら中等部終わるって〜w
窓辺 夜
窓辺 夜
………。
よくあんなことやってられるな、と思いつつ席に座ってため息をこぼす。




僕、生徒会なんですけど。それも生徒会長。

お前らマジで理解してないな。


窓辺 瑛人
窓辺 瑛人
……はぁ、











窓辺 七海
窓辺 七海
うっわwため息をつきたいのこっちなんだけどw
窓辺 望
窓辺 望
それな〜w一家の恥のくせによくのうのうと学校に来れたもんだよね〜w





もうこいつらは一生変わらない。僕はそう思った。

ヒリヒリと痛む火傷の跡を弾きながら、頬杖をつき、窓の外を眺める。




















キーン__________




















はぁ、耳鳴りがしてきた。
-昼休み-
いじめっ子
いじめっ子
お前。こっちこい。
窓辺 優奈
窓辺 優奈
うん。





ほぼ有無を聞かないような状態でいじめっ子に連れ出されてしまった。

また殴られるんだろうな…と思っても仕方なのないこと。


昨日の瑛人の方が酷いんじゃないかっていうレベルだから、大丈夫。






そして、いつもの体育倉庫に連れ込まれて、腕や足を殴られ蹴られる。
いじめっ子
いじめっ子
こいつなんでこんなに無反応なん?w
いじめっ子
いじめっ子
今日の朝はめっちゃ反応良かったのになぁ〜w
いじめっ子
いじめっ子
あ、これ使おうぜ〜w
と、言って出してきたのは……………





















白地に、中に黒光りする刃の入ったカッターだった。
窓辺 優奈
窓辺 優奈
ッ……‼︎
いじめっ子
いじめっ子
うっわwキョドってんじゃんw楽しくなるんじゃね?w
いじめっ子
いじめっ子
うわ〜マジおもろw




ちょっとずつ、目の前が霞んでくる。




そんな鋭い痛みに耐えられるわけがないから。

それは流石に無理だ。


かちっ、









かちっ、









と少しずつカッターの刃を出す音が大きくなっていく。





そろそろか、痛みに耐えるために、目を閉じ、体の力を抜いた。















……………しゅっ———。
































少し鋭めの痛みが、足に走った。
























しゅっ、しゅっ、しゅっ、






















何度も切りつけられる。






いじめっ子
いじめっ子
うっわwこいつの足レグカしたみたいになってんじゃんw
いじめっ子
いじめっ子
そろそろ15分前だ。そろそろ終わるぞ。
いじめっ子
いじめっ子
じゃあまた放課後な?wもっと楽しませてくれよ?w










いじめっ子たちは、体育倉庫からわたしのことを放り出した。

どうやら、終わったら用済みらしい。




切られた太ももを見ると、律儀にも絆創膏が貼られていた。

じゃあ虐めるな。って話だ。

仕方ない。そろそろ教室に帰らないといけない。











本当に怠すぎる。心の奥が痛くなってくる。

また、放課後か…、痛いのは嫌いだ。







心の奥から、反吐が出そうだ。






















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