第28話

06.夢見る人形
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2026/03/04 13:57 更新



(…………?)

(………ここは、どこだ?)

(どうしてこんなに暗いんだ?
確か……部屋で作業をしてて)

(体が動かない…、?
声も出ない、目も開かな…)


(は?)
(ここは、今日行った人形展…?
なんでこんなところに)
えむ
わっ!見て見て、寧々ちゃん!!
すごいねっ!
寧々
へー、よくできてるね
なんだか、ほんとに生きてるみたい
(……寧々と…、えむ?
どういうことだ?)
(なんで二人共、俺に向かって話しかけてくるんだ?)
寧々
あ、この人形、糸が付いてる…
マリオネットなのかな
えむ
ふわわわ!面白そうだね!
動かしてみよーよ!!
寧々
ちょっと、えむ
高そうだから触らない方がいいし、こんな大きいの動かせるわけないでしょ
えむ
あっ!あっちの人形も可愛い!
寧々
ちょっと…!走らないでってば…

(……もしかして、俺、人形になったのか?)
(体が動かないのはそのせい…
でもそんな訳が…)
(………ああ、でも…)
(別に…いいか…
人形になっても)
(何もしなくていい、何も考えなくていい)
(自分なんて探さなくても、言われるがまま動いて、誰かの役に立てる)
(…それで、みんな喜んでくれるんだ)
司くん
……え
司くんは、今何か感じているはずだよ
僕に教えてくれないかな
………どうしてだ?
…そんなこと知ってどうするんだ?
…俺は感じられない
何度も言ってるだろ
それに、俺が何か感じ取っても、
そんなの誰も─────
そんなことないよ
教えてくれ、司くん






ーーー司の部屋ーーー
…っ!
あ、れ…?
……夢、だったのか…?
【R】
『天くん?大丈夫かい?』
【天】
『…R?』
【R】
『うん、もう寝たのかと思ったけど、起きてたんだね』
そうか、ナイトコードに入ったのに寝てしまって…
……あんな夢…
【R】
『夢?
どんな夢を見たんだい?』
【天】
『……人形に、なった夢だ』
【天】
『今日行った人形展の、あの人形になったんだ。手も足も動かせなかった』
【天】
『…だが、Rが目の前に来て』
【R】
『…僕も天くんの夢に出てきたのかい?』
【天】
『……少しだけ、な』
【R】
『それで、僕はどうしたのかな』
【天】
『……覚えていない。
何か話しかけられた気もしたが…』
【R】
『……そっか
その夢を見て、どう感じた?』
【天】
『…またそれか?』
【R】
『ごめんね。
でも、知りたいんだ』
【R】
『君が何を見て、どう感じるのか分かれば、君を笑顔にできる曲にもっと近付けると思って』
【天】
『…自分でもわからないのに、そんなことを言われても無理だ』
【R】
『でも…』
【天】
『わからないんだ。毎日生きてるはずなのに、嬉しいことも、楽しいことも、何も感じられない』
【天】
『全部、他人事みたいなんだ』
【天】
『そのくせ、何かが決定的に足りてないことだけ分かって』
【天】
『こんなの…言葉に出来るわけないだろ』
【R】
『ぁ…』


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(会話するよりはずっと近く感じる…)
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【R】
(君が、自分の感じてることを言葉にしたくても、 できないっていうのなら)
【R】
『歌詞なら、どうかな』
【天】
『え?』
【R】
『もちろん、歌詞だって言葉だけど、でも、違うものだと僕は思うんだ』
【R】
『説明なんていらない、理解なんてちゃんとしなくていい。』
【R】
『ただ、今感じてることを歌詞にして欲しいんだ』

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