第4話

2 俺はお前を見放さない
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2026/02/23 10:10 更新





死にたいと思わないのか、か




そんなことを聞かれると思わなかった




前を向いて笑って、思いません、そう言いたい




でも、違う…私にそれは言えなかった




その質問に、返すべき言葉がわからない




勿論、先輩を見放したくないというのは事実で




嘘をついたって、どうせバレるんだから


an.
an.
目の前にいる人が死にたいと言うのなら…
an.
an.
自分が死にたかろうが何だろうが関係ない、私は、そう思います
 tsukasa.
tsukasa.
…はは、それじゃ死にたいのに死ねないと言っているようなものだな
an.
an.
そ、そんなつもりじゃ…
 tsukasa.
tsukasa.
別にいいさ、コンビニに行くんだろう?止めて悪かった、行こう



今の司先輩は、よくわからない




でも、一度離した手を、もう一度取ってきた




私は、人との距離は近いほうだけど




あまり男子にはやらないから、今更だけど不思議だった


an.
an.
…行きましょうか



その手を軽く握り返して、近くのコンビニに行く




傘は売っていたが、店員さんは心配していた




まあ、適当な嘘をついてごまかしたけど




現金しか使えないレジか…


an.
an.
お財布持ってない…
 tsukasa.
tsukasa.
…俺も生憎、持ち合わせがなくてだな
an.
an.
ええと…先輩はこの後、家に帰ります?
 tsukasa.
tsukasa.
家、家か…



あからさまに嫌そうな反応だ




私も、あまり家には帰りたくないけど



an.
an.
私もあんまり家に帰りたくないので、気にしなくていいですよ
 tsukasa.
tsukasa.
とりあえず、雨宿りができそうな公園に行くか
an.
an.
そうですね







an.
an.
…あの、どうかしましたか?
 tsukasa.
tsukasa.
……死にたかろうが関係ない、俺も納得だ
an.
an.
…?
 tsukasa.
tsukasa.
だから、俺はお前を見放さない…死にたいとしても、死なせない
 tsukasa.
tsukasa.
俺は手を伸ばしたい、そう、思ったんだ
an.
an.
…え?



私はどうせ、"必要のない音楽家"




そんな人間を、見放さないと?




先輩は、ただ私だけを見ている




元より嘘なんて言わないとわかっている




だからこそ、その言葉をちゃんと受け取れる気がした


an.
an.
そう、ですか……
 tsukasa.
tsukasa.
今更だが、わざわざ敬語で喋らなくていい
an.
an.
…先輩
 tsukasa.
tsukasa.
何だ?
an.
an.
全部、私の全部、あげるよ…だから私のこと、要らないとか言わないでね?
 tsukasa.
tsukasa.
はは、その言葉…そっくりそのまま返してやるさ



先輩がそう笑っていった瞬間、周りが光り始めた




まるで、セカイに行くように







kaito.
kaito.
ん?あ、来たみたいだよ、メイコ
meiko.
meiko.
本当ね、ようこそ二人とも
 tsukasa.
tsukasa.
…ここは?
kaito.
kaito.
セカイだよ、四人の生きていて欲しいという想いで、強くなったセカイ
meiko.
meiko.
まあ、詳しい説明は後、もう二人の所へ行きましょう








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