新居に荷物をすべて搬入した日の夜。
掃除のため、オッパと2人でマンションへと戻ってきた。
メンバー全員と共に食べた夕飯はとっても楽しかった
もう会話全てがコントのようで…
途中からオッパが突っ込むことを諦めていたのが面白くて。
おかげで私はほとんど動くことなく、引っ越しを終えることができた。
そう言って、オッパが床にモップをかけ始めた。
昼の時点でほとんど掃除は終わってるけど…
モップがけと、最後に…この部屋を見ておきたかった。
オッパに促され、全てドアの開いた家の中を歩き回る。
オッパの作業部屋。
ここでオッパがたくさんの曲を生み出した。
時に苦しんで、時に悔しがりながら。
私の部屋。
最初は、ここにベッド置いて1人で寝てたんだよな…私。
オッパからのプレゼントのCDも、ここに置かれてたっけ…
ベッドも何も無くなった寝室。
ここは思い出が多いなぁ…
腕枕で眠ったこと。
オッパに看病してもらったこと。
子守唄も…
あ、彼シャツ事件もあったっけ…
ここでオッパと眠りにつき、オッパの寝顔を眺めた毎日。
思い返すだけで幸せな気持ちになる。
広い浴室。
お風呂を巡る攻防…あったな…懐かしい。
今ではほとんど一緒に入ってる気がする。
入るとだいたいイタズラされるけど。
苦笑してお風呂場を後にした。
クローゼット部屋。
ここに、思い出のワンピースとか色々しまってたんだよね。
新居のクローゼットはまだまだ広くて、埋め尽くすには時間がかかりそう。
リビングに戻ってきて、広い部屋をゆっくり見回す。
キッチンのカウンターによしかかり、モップがけをするオッパを眺める。
私の顔を見てオッパがふっと笑う。
だって、この家には…たくさんの思い出が詰まっている。
それを思い出していたら、胸がいっぱいになってしまった。
【愛してる】が欲しくて、作業部屋のドアに頬を寄せたこと。
オッパのためにここでご飯を作って、帰りをずっと待っていたこと。
優しく抱きしめられながら眠ったこと。
喧嘩して部屋に閉じこもったこと。
泣き声で訴えかけたら、オッパがクククッと笑いモップを壁に立て掛けた。














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。