私は理科室前の廊下へ向かった。
返事をするために。
幸せ。
まさか彪翔先輩と付き合えるなんて……
夢にも思ってなかった!
紗月にも報告しないと。
紗月なら……応援してくれるよね。
でも、紗月だけには言っておこう。
早く紗月に話したい。
私は走って階段を昇った。
まだ先生が来るまでは時間がある。
あれ?
なんか紗月の表情が曇ってる気がする。
……え?
なんで?
それは本当に覚悟をしたんだ。
昨日の一日でよく考えた結果なのに。
どうして?
応援してくれないの?
紗月は彪翔先輩のこと誤解してるよ。
いい人なのに。
なんで分かってくれないんだろう。
初めての彼氏なのになぁ。
紗月は応援してくれるって
喜んでくれるって
そう思ってたんだよ?
ねぇ、なんで?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。