第6話

返事
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2020/05/11 23:24

私は理科室前の廊下へ向かった。
彪翔先輩
おはよ。
桜木 菜乃花
おはようございます。

返事をするために。

彪翔先輩
で?どう?考えてくれた?
桜木 菜乃花
はい。私でよければ、お願いします。
彪翔先輩
マジ!?ありがと!

幸せ。


まさか彪翔先輩と付き合えるなんて……


夢にも思ってなかった!



紗月にも報告しないと。



紗月なら……応援してくれるよね。



彪翔先輩
あ、誰にも言わないから。
桜木 菜乃花
分かりました。

でも、紗月だけには言っておこう。
桜木 菜乃花
じゃあ、もうそろそろ教室戻りますね。
彪翔先輩
おう。

早く紗月に話したい。


私は走って階段を昇った。



まだ先生が来るまでは時間がある。


桜木 菜乃花
紗月!話したいことがあるんだけど……
中原 紗月
何?
桜木 菜乃花
あのね、私……彪翔先輩と付き合うことになったの!


あれ?


なんか紗月の表情が曇ってる気がする。

桜木 菜乃花
紗月?
中原 紗月
菜乃花……彪翔先輩はやめといた方がいいよ。

……え?


なんで?
中原 紗月
モテるし、みんなに知られたらどうなるか分かってる?
桜木 菜乃花
うん。覚悟は出来てるよ。彪翔先輩とも言わないって決めたし!

それは本当に覚悟をしたんだ。


昨日の一日でよく考えた結果なのに。


中原 紗月
ふーん。

どうして?


応援してくれないの?


紗月は彪翔先輩のこと誤解してるよ。


いい人なのに。


なんで分かってくれないんだろう。



初めての彼氏なのになぁ。



紗月は応援してくれるって


喜んでくれるって


そう思ってたんだよ?




ねぇ、なんで?

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