震えた手でドリーの額を触ってみると、少しだけ
温もりを感じた
まだ生きてるみたいだけど、この状態があと
どれぐらい続くかは分からない
一方成瀬はというと、止血はできたものの、
さっきからずっと目を覚さない
でも、脈はちゃんと正常に動いている
もう、この前つぼ浦を助けたとき程体力は残って
いない
がみともさんの言う通りもう少し安静にして
おいた方がよかったのかな…
電話越しに、鳥ぎんの声が聞こえる
俺が返事をすると、鳥ぎんは「よかった」と
言ってくれた
外からは銃声が聞こえてくる
ドリーの腹に巻いた包帯に血が滲んできている
のが見え、
俺は新しく包帯を巻き重ねた
ドリーの口を開き、IFAKSも飲ませた
少しずつ体温が下がってきているドリーに、
俺が着ていたアーマーを被せてあげた
暖をとれるかは分からないが、無いよりはマシ
だろう
もう外は日が落ちて暗くなっているのだろうか
署内は段々と寒くなってきていた
夏服だった俺も、少し肌寒さを覚えた
すると、電話越しに鳥ぎんの声が聞こえる
きっと鳥ぎんは今北署の真上を飛んでいるん
だろう
鳥ぎんのその声と同時に、また銃声が聞こえた
ヘリを撃たれたのだろうか
…このまま中で安全に過ごしていたら、鳥ぎん達
を見殺しにすることになってしまう
そんなの駄目だ、それの何が警察だよ
1人や2人すら守れないヤツなんて警察名乗れ
ないよ
体力をほぼ消耗し切った体を無理矢理動かし、
入り口のドアに手を掛けた
そして、銃を構えながらドアを開けた
さっきの人達があの女と戦っているのが見えた
丁度俺は女の背後を取れていて、幸いにもまだ
気付かれていない
俺は背中にスナイパーのような武器を背負った人
の頭を的確に狙い、ダウンさせた
あと1人の女を狙おうとしたその時、ソイツは
ナイフを握り締め走ってきた
撃った弾は全て避けられ、どんどん距離を縮め
られる
署内に入らせると、また成瀬達を襲う可能性が
あるから
俺は彼女目掛けてスライディングをした
すると、彼女は体勢を崩し、ナイフを落とした
俺は手錠を掛け、行動不能にさせる
ほとんど体力が残っていない体は、その後
言うことを聞いてくれず
その場でへたり込んでしまった
すると、救急隊のヘリが近くに停まり、鳥ぎんが
降りてくるのが見えた
ピンク色が特徴的なてっちゃんの姿も見える
ケインくんはそう言い、救急隊の足を止めた
彼等は1人の女性の相手をしている
しかし、その女性は先程のように殺意を持って
いるようには見えない
…あれ、あの人なんか見たことある気が…
彼女の瞳の色は、濁った紫色から薄茶色へと
変わった
同時に、膝から崩れ落ちた
反応からして、今までの出来事を覚えていない
のだろうか
彼女はその場で笑顔を見せた
すると、てっちゃんがこっちへ近づいてきた
てっちゃんはすぐさま走って成瀬達のところへ
向かった
…あれ、鳥ぎんは?
そう思い、辺りを見回していたその時
なにか違和感を感じた
なんだろう、横から殺気のようなものを感じる
ような…
彼女はそう言い、いつの間にか拾っていたナイフ
を俺目掛けて思いっきり振りかぶった
彼女の手首に掛けた手錠は壊され、地面に
落とされていた
体力も残ってなくて、既に座り込んでしまって
いたので
咄嗟に動くなんて無理だった
俺は、その時死を覚悟した













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。