小説更新時間: 2025/08/17 03:13
連載中
【忘バツ】“ 少女レイ ”

- 青春・学園
(なまえ)という少女は、
かつて、「天才」と呼ばれた。
白球を追いかける誰よりも速く、
バットを振れば、空気すら引き裂いた。
けれど。
その栄光のすべては、ある日、跡形もなく消えた。
事故。
倒れた拍子に打った後頭部。
痛みも恐怖も、何も感じなかった。
目が覚めたとき、
そこには、ただただ、
自分が誰なのかも分からない自分だけが、いた。
周りが言う「すごかった君」を、
(なまえ)は知らない。
憧れも、羨望も、期待も、
自分には無関係な、知らない世界の話だった。
――だから。
もう、二度と。
バットなんて、触らない。
そんなもの、わたしには、必要ない。
夏の始まり、蝉の声がけたたましく響く校庭で。
白球を追う声と、歓声と。
そして、ふと振り返った先にいた。
「おーい、君! そこの君!!」
ぐしゃぐしゃの黒髪を揺らしながら、
少年――要圭が、笑っていた。
「野球、興味ない?」
その瞬間、
閉じたはずの夏が、
また、始まった。
チャプター
全33話
25,437文字
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