第60話

対戦よろしく
4
2024/06/06 11:05
いよいよ、発声練習、夜蘭だけの団長によるつきっきり基礎メニュー「極」が終わり、数人の野良を従え、みんなとの練習がはじまる。


まずは、団長によるロミオとジュリエット、についての深掘りからだ。
リスタ・ナイトレード
リスタ・ナイトレード
がんばってくださーい!!!
横にレジャーシートのようなものを敷き、

威厳いげんある”生徒会は、こちらを応援している
霧隠・ハイヴ・アストロニア
霧隠・ハイヴ・アストロニア
かっこいいですよ!!!
マリン・セフィナロール
マリン・セフィナロール
っ、が、がんばれーっ!
あいつら運動会のママじゃねぇんだから...


そんな中、団長は淡々と語り出す
ウイト・シャレゼネフ
ウイト・シャレゼネフ
ロミオの仮死状態に勘違いをし自死を選んだジュリエット。一見すると悲劇に見えるが、この物語の鍵は、悲劇ではなく喜劇として見るということだ
ウイト・シャレゼネフ
ウイト・シャレゼネフ
....最期は自死を選ぶが、それまではどんなに辛くとも、愛しい人の為に生を選び続けたジュリエット。彼女が本作の1番スポットライトを当てるべき人物だと、僕は思っている
生唾を飲む音が聞こえる

...俺も同じ気持ちだ。
本当にこんな役が演じられるのか...?
ウイト・シャレゼネフ
ウイト・シャレゼネフ
まっ、見た目の分では王子で女装家な夜蘭にぴったりだけど♡
ステラ・ユハン
ステラ・ユハン
チッ、
団長の戯言ざれごとに、ドレスが軽く噛み付いた

そして団長はそれに応えるように、質問を投げ返す
ウイト・シャレゼネフ
ウイト・シャレゼネフ
さて、そんな舌打ちをしたユハンくん、君はジュリエットの婚約者パリスになったわけだけど、ジュリエットが作中何歳だったか覚えている?
ステラ・ユハン
ステラ・ユハン
...いえ
ドレス・スロット
ドレス・スロット
はい!!14っす!!
ウイト・シャレゼネフ
ウイト・シャレゼネフ
そう、正解だ。ちょうど今から...
シャレゼネフは、何かに気がついたように目を開く
ウイト・シャレゼネフ
ウイト・シャレゼネフ
...10年前
それは、この世界に12回目の勇者がやってきた年。

それは、シャレゼネフにとって忘れられない年。

夜蘭にとっても大きな、

フィクリウスにとってはもっと大きな、

魔王とってはもっともっと大きな意味を持つ年。
夜蘭
夜蘭
・・・
数名が一連の時期に気を取られていると、
ドレスが声をかけた
ドレス・スロット
ドレス・スロット
だんちょ?
ウイト・シャレゼネフ
ウイト・シャレゼネフ
あぁ、悪い。
ウイト・シャレゼネフ
ウイト・シャレゼネフ
えっと、言いたかったのは10年前の当時、...違う、役の同じ年齢の事を思い出しながら、演じてってこと。
夜蘭は記憶の旅路に迷い込む。

あの人と出会った年、別れた年。
庭にさよならをした年、・・・。

記憶にもやが掛かる。ノイズのような...。
無視して、進む。

俺が悪魔になった年。
ウイト・シャレゼネフ
ウイト・シャレゼネフ
夜蘭...?....、そうか
ウイト・シャレゼネフ
ウイト・シャレゼネフ
ふっ、これは、、ロミジュリのアイデアは神からの思し召しかな。
????
なーなー、お客さん?あんたがほんとに王子ってんならよく覚えてんだろ?あんたが、悪魔だってバレた年なんだからさあ
ウイト・シャレゼネフ
ウイト・シャレゼネフ
黙れ
真偽の程をからかい、審査するように発せられた茶化す野次を、団長は聞いたこともないような冷たい声で牽制する。
????
っ、
ウイト・シャレゼネフ
ウイト・シャレゼネフ
・・・無理なら、構わない。
役になりきることには苦痛も、
夜蘭
夜蘭
わかってます。でも、やりますよ。
これは俺の過去との決別。
夜蘭
夜蘭
かかってこいよ
夜蘭
夜蘭
ジュリエット!

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