第3話

scene.2 戦線ハ異常ナシ
134
2023/09/05 12:17 更新
ビッキー
ビッキー
こちらビッキー。リフトが吹っ飛ばされて現在孤立状態なんだ。助けてくれないか?

俺は列車に戻り、没収されていた自分のアイテムを回収した。ファマスは列車外で見張り番をしている。

没収されていたアイテムは、スマホ。
俺はこれ以外のアイテムを持っていなかった。

全部騎兵隊に渡したのだ。

そしてスマホで取り敢えず、東京の知人に連絡してみることにした。今の状態ではここから一歩も動けないんでね。
『……しょうがないな。少しそこで待っててくれビッキー。応援を出すから』
ビッキー
ビッキー
すまないな、いもさん
いもむし
いもむし
『良いんだよ。こういう時ぐらい頼ってくれ。君は人を頼るって事をしない人なんだから』
ビッキー
ビッキー
ああ。そうさせてもらうよ
俺は電話を切り、列車の外のファマスの元へ戻った。
ビッキー
ビッキー
どうだファマス。敵は出たか?
ファマス
ファマス
俺1人で片付くようなのしか来ねえ。とても異能力者相手の人数じゃねえし……なんだろうな、舐められてるのか、それとも戦力を割く必要性すらないと感じているのか……
ビッキー
ビッキー
なるほど。いずれにせよ、気分の良い話ではないな
ファマス
ファマス
元々ここでこうしてる時点で良い気分にはなれんだろうさ!!俺なんて女房置いてきてっから気が気じゃねえんだぞコノヤロウ
ビッキー
ビッキー
そうだな。……ま、そっちの方がむしろ良いかもな。
今回は皆に協力してもらってのクーデターだから、絶対に成功させなきゃならないしさ
ファマス
ファマス
まぁ……そう、か?
ビッキー
ビッキー
ああ




ビッキー
ビッキー
絶対に、成功させないと
─────────数日前。







ビッキー
ビッキー
何の用件でここに来た?
追放までの1週間は、街を歩いても良いとされていたので、俺は帝国の自分のいた街をぶらりぶらりと歩いていた。

そんな中、元隊員の男─────




ギークが、俺に話しかけてきた。
ギーク
ギーク
よお隊長。元気か?
ビッキー
ビッキー
元気なわけあるか。最悪の気分だよ
ギーク
ギーク
そうかい。……なら、気分が多少は良くなる話をしようか
ビッキー
ビッキー
……なんだ?






ギーク
ギーク
あんたのために……あんたのためだけに、最高の復讐の場所を用意した。
ギークはそう言って、俺に計画の全容を話してきた。俺はもちろんその話に乗り……


現在に、至る。






ビッキー
ビッキー
何があっても成功させる





残念だが、その計画はここまでだ
ビッキー
ビッキー
……何?
……どうやら新手が来たようだ。
ごつごつとした鎧を着て、仮面を着け、槍を装備している魔人のような男だ。

兵隊長か何かか?
ビッキー
ビッキー
貴殿の名は?
隊長らしき男
貴様に名乗る名などない
ファマス
ファマス
なら残念だぁ。名を残せねえなぁ
隊長らしき男
なんだと?
ビッキー
ビッキー
貴殿ら如きでは、残念だが我々の足元にも及ばないだろう。そういうことだ。
隊長らしき男
何……っ!!
剣を引き抜き、男に近づいて胴を切る。
脆い……異能力者ではなく、そこまで
"レベル"が高いわけでもないようだ。


レベルとは、人間の総合力のこと。
身体能力、異能力、魔法……全てを加味した物をレベルと呼ぶ。

……おっと。
魔法というのは、2つに分けて"女神魔法"、"悪魔魔法"の2種類がある、RPGなどでよく使われる火や水を発生させる物だ。

"女神魔法"は俺たち人間のうち、女神やその仲間の血を引き継ぐ物が使える魔法。魔力の類いを必要とせず、その気になれば連発も可能な代物だ。

"悪魔魔法"とは、モンスターや悪魔が使う魔法の事。女神魔法と大差はないが、どうやらこちらは魔力と呼ばれる物を必要とするらしい。

曖昧だって?そりゃあそうだ。なんせ"悪魔魔法"は俺たちには使えないからな。

昔の帝国の人には使える人もいたらしいが。



レベルや魔力は「悪魔召喚プログラム」と呼ばれる物を通して確認する事が出来る。誰が作ったのか不明な上、一部のスマホにしか登録されていないプログラムであるため、今ではロストテクノロジーの一つとして数えられている。

レベルに関しては一般の人はわからずとも、持っているガーディアンズの人間や帝国の者に頼んでスマホを貸して貰えば確認出来る。俺はそれでここに来るまでに一度確認している。

俺のレベルは16。まぁ、普通の数値だ

ちなみにレベルの基準の参考として例を挙げると、一般的な訓練を受けた陸軍軍人のレベルが3。ライオンが4。今前にいる部隊長らしき奴が恐らく……7。

そして、ガーディアンズ組織の一般兵クラスのレベルが平均11.5らしい。
隊長らしき男
ぐっ……反逆者めぇ!!
男が槍を振り下ろしてきたが、動きが遅いので普通に避ける。ファマスが手に銃弾を撃ち込んで槍を弾き、俺が男の右腕を斬り飛ばした。
隊長らしき男
ぐっあああっっ!!
ビッキー
ビッキー
ああ。そうさ。俺は反逆者だ。だがそれがどうした?いくら国に背こうと、いくらkunに逆らおうと。片方で反逆者でも、片方では賞賛される。世界とはそういう物だ。だがお前は、その可能性すら、たった今手に入れ損ねたんだ。これがお前と俺の差だ
隊長らしき男
貴様ら異能力者共に……あのお方が……倒せるものか!!
ファマス
ファマス
……ビッキー、そいつを早く殺れ。耳障りだ
ビッキー
ビッキー
わかってる
俺は真っ二つに男を斬った。男は声も上げずに倒れていった。
ビッキー
ビッキー
泥にいくら濡れても、どんな評価をされようとも。俺は俺のやるべき事をやる。やるしかないのだから、やるだけだ
ファマス
ファマス
そうか。……まぁ、気の済むまで着いていくよ
ビッキー
ビッキー
すまないな。
ファマス
ファマス
良いって事よ!!友達なんだからよ
ビッキー
ビッキー
……ふっ。ありがとう
とにかく今は、援軍待ちだな。






━━━━━━━━さて━━━━━━━
こちらギーク、ただいま━━━━━━━━



ギーク
ギーク
……奴と共に、通路の一つに降りた。こっからビッキーの回収と、上への入り口の探索に入る。……任せとけ。しっかり任務を終えて戻る
トランシーバーの向こうの人間へ、やんわりとした声を掛ける男。

金髪で、全体的にふわりとした、左の襟足が長めに伸びている、特異な髪型をしている、黒いスーツを着た青年。


───────その男、ギーク。
─────────本名を中原有馬という。
ギーク
ギーク
さぁて、待ってろよリーダー。
もう一つの反逆の意志が、動き出したようだ。


to be continued…

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