第7話

双黒のすれ違い
中也 side

手前は何時も、俺の左斜め後ろに立っていた。其の姿は組織内でも有名な程綺麗で、今みたいに、白ではなく真っ黒な髪をしていた。

琴羽「中也!」

中也「ん、おぉ、琴羽か。どうした?」

琴羽「中也って好きな人居るのか?」

只・・・妙に天然な所があった。忘れっぽいと云うか、何事も、直ぐに忘れそうになってしまう様な奴だった。

中也「其れ、前も聞いて無かったか・・・?」

琴羽「え"、聞いた?」

中也「まァ、居ねぇなァ。」

其の言葉を告げるとニコッと笑い、

琴羽「恋愛未経験・・・、純粋中也・・・」

等と冗談を云うのだ。
勿論、組織内で有名な美人なのだから、少しの好意を寄せては居た。














あの夜、手前に愛していると云われる迄は。

琴羽「どうしても、此の想いだけは、忘れられそうに無い。
・・・君は、此の想いに答えてくれるか。」

上司への口の聞き方もなって無ェ、だけど、手前が俺を求めるなら、喜んで。と、口にキスを溢した。










太宰 side
君は、何時も中也の左斜め後ろに立っていた。
ポートマフィア自慢の絶世の美女・・・、どんな女性かと思っていたが、予想以上に美人で、胸が締め付けられた。
今まで幾人の女性に心中を申し込んで来たが、あわよくば、彼女と心中出来ないものだろうか、と自分の厭な心が動く。

・・・けれど、彼女が、あの中也と付き合ったと聞いた時、どうにも出来ない悶えを感じ取った。自分が、自分が堪らなく惨めに思えた。

其れもそうだ。
彼女は、中也の補佐だ。そんな関係性である以上、社内恋愛、とやらだろうか。そんな関係に発展しても、可笑しくは無いのだ。












二ヶ月前、君が記憶喪失の状態で、私と会う迄は。