第73話

合理的虚偽.°
21,284
2020/08/02 03:39
緑谷「あ、あなたっお疲れ様……!」



モニタールームに入ると、いずくんとお茶子ちゃんが見学していた。



あー……まぁ、話し合いにならなさそうだしな。


青山くんと爆豪くん……。




緑谷「あれ……?その紙は?」



あなた「追加の課題。マジ最悪……!」





相澤先生から渡された紙をヒラヒラと振って、リカバリーガールの横に座った。





リカバリーガール「あんた……不用意にあの個性を使うもんじゃないさね……」



あなた「……すみませんでした」



 
ペンを渡してくれながら多少の注意を喰らわしてくれた。




緑谷「なんの課題……?」


あなた「残りの組全部、どっちが勝つか予測しろってさ……。半分以上当たってたら今回のヘマは見逃してくれるって……」


麗日「「ヘマ」??あなたちゃんなんかやらかしたっけ?」


あなた「……や、なんでもない」




うーん……まずは常闇くんと梅雨ちゃんか。




〜以下、あなたちゃんの予想〜



蛙吸&常闇⇨clear

飯田&尾白⇨clear

轟&八百万⇨clear

麗日&青山⇨retire

上鳴&芦戸⇨retire

甲田&耳郎⇨clear

葉隠&障子⇨clear

峰田&瀬呂⇨retire

緑谷&爆豪⇨clear







〜結果〜  【ごめん、演習試験割愛のためです(((】



蛙吸&常闇⇨clear ◯

飯田&尾白⇨clear ◯

轟&八百万⇨clear ◯

麗日&青山⇨clear ×

上鳴&芦戸⇨retire ◯

甲田&耳郎⇨clear ◯

葉隠&障子⇨clear ◯

峰田&瀬呂⇨clear ×

緑谷&爆豪⇨clear ◯



正答率→77%






あなた「おしっ、合格!」




〈1年A組期末テスト 演習試験の全演習 終了!〉





あなた「失礼しまーす」



ペンを返し忘れていたことを思い出して保健室に入ると、ベッドではいずくんと爆豪くんがそろって寝ていた。



あなた「いずくん……なんその格好」


緑谷「腰……やっちゃって」




横でオールマイトが「てへっ」と笑うので、リカバリーガールから叱責を喰らっている。





あなた「あ、ペン返します。ありがとうございました!」



リカバリーガール「はいよ」




ペンを手渡して、ふと爆豪くんを見やった。





リカバリーガール「当分目を覚まさないだろうね」


あなた「まっ、吐いてたしね」


オールマイト「て……てへっ、」




それにしても……。




緑谷「……?あなた、かっちゃんがどうかした?」



あなた「ううん……なんか、」





こうしてスースー眠ってる顔からは、いつもの眉間に寄せたシワもキリッと悪い目つきも想像できなくて。





あなた「……寝顔、可愛いなぁって」




私がそうはにかむと、なぜか3人とも失笑した。









翌日。




芦戸「皆……合宿の土産話、楽しみにっ、してるっ、から……!」



緑谷「まっ、まだ分かんないよっ、どんでん返しがあるかもしれないよ……!」



あなた「なんか……ごめん」




三奈ちゃんに続いて、佐藤くん、切島くん、上鳴くん_____演習リタイア者が揃って落ち込んでいる。




切島「いや、謝んなあなた……全ては実力の内だから……。せめて林間の空気を……!」




そう言ってビニル袋を手渡されて、「分かった。供物として持って帰るね!」と受け取ると飯田くんに突っ込まれた。





相澤「予鈴が鳴ったら席につけ〜」



先生が扉を開けた瞬間に、皆静かに着席した。




相澤「おはよう。今回の期末テストだが、残念ながら赤点が出た」



……私、筆記大丈夫だろうか。




相澤「従って林間合宿は_________」




皆で……行きたかったなぁ。





相澤「全員行きますっ」





あ、大どんでん返しだコレ。





切島「行って良いんすか俺らぁ!!」


芦戸「ほんとにぃ!?」


相澤「ああ。赤点者だが、筆記の方はゼロ。……ギリギリのやつはいたがな」


あなた「よっっしゃあああああ!!!」


相澤「想像通りギリギリはお前だ。いいから立つな」



冷静に突っ込まれたので小さく謝って座った。




相澤「実技で切島、上鳴、芦戸、佐藤、あと瀬呂が赤点だ」




そんなこんなで林間合宿には全員参加、次いで夜には補習地獄らしい。




……赤点とらんでよかった。




尾白「まぁ何はともあれ、全員で行けて良かったね」



林間合宿のしおりをしっかりと持って、尾白くんがニコッと笑った。




飯田「1週間の強化合宿か!」


緑谷「結構な大荷物になるね」


上鳴「俺、水着とか持ってねぇよ。色々買わねぇとな」


あなた「……」


  

私、私服2、3着しかないんだが。


そして、それ用意するお金、ないんだが。




葉隠「あっ、じゃあさ!明日休みだし、テスト明けだしってことでっ。A組皆で買い物行こうよ〜っ!」



上鳴「おほ〜いいっ!何気にそういうの初じゃね!?」


切島「おい爆豪!お前も来い!」


爆豪「行ってたまるか。かったりぃ」


緑谷「轟くんも行かないっ?」


轟「休日は見舞いだ」


峰田「ノリがわりぃよ、空気読めやKY男どもぉ!!」


芦戸「楽しみだねぇあなたっ!!!……あなた?」


あなた「……あ、私もパス!」


切島「えぇ!?あなた絶対来ると思ったのに……」


あなた「あはは……ちょっと用事があって、」




多分、A組の皆ならお金とか出し合ってくれるんじゃないかと思うけど……そんな事させたくないし。



週末もバイトでガッチリ稼ごう!!




緑谷𝓈𝒾𝒹𝑒.°



麗日「あなたちゃん……なんか元気なさげやったけど……大丈夫かな?」


緑谷「うん……」




あなたならこういうの、絶対参加するって思ってたけど……。


用事って、なんだろう。




芦戸「ね、ねぇ皆……ちょっと、あなたについて話があるんだけど……いいかな?」



芦戸さんがらしくない控えめさで手を挙げて、先に帰ったあなたと轟くん、かっちゃん抜きの皆で話を聞いた。

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