第79話

季節
678
2026/03/05 12:00 更新


you side






寒い。

さすがに寒すぎる。






いや、ちょっと待てよ。


昨日まで、
“春来たね〜”とか言ってなかった?



“もう薄着で余裕〜”
とか言ってなかった?






なのに今日。


真冬。

超寒い。
詐欺。





もう朝で、起きないといけないって言うのに…
布団の中で丸くなったまま全然動けない。





手足どっちも冷たい。





布団の端から忍び寄る冷気。
完全に敵。







あなた
…さむ




小さく呟いた瞬間、
隣がガサゴソと布団の中で動く。






大森元貴
…あなたの下の名前?

あなた
寒い

大森元貴
うん、寒いね





私は顔まで布団を被ってる元貴を見て、
元貴の足に私の足をピタッとくっつける。







大森元貴
っっ冷た!!

あなた
保温

大森元貴
凍傷なるから!

あなた
元貴あったかいから湯たんぽ役

大森元貴
僕、人間だから






そう言いながらも逃げない。



むしろ、元貴の方からくっついてくる。






ぎゅって抱きついてくる。





大森元貴
ほら、どう?

あなた
なにが?

大森元貴
こっち来れば温かいでしょ?





元貴の腕が自然に背中に回る。





悔しいけど、めちゃくちゃ温かい。






あなた
…温かい

大森元貴
でしょ。人間カイロだからね





元貴は私の首元に顔を埋める。




寝起きでちょっと髪もボサボサ。
なんか、可愛いの腹立つ。






あなた
春ってどこ行ったんだろ…


大森元貴
ここ

あなた
ここってどこよ

大森元貴
僕の腕の中

あなた
キモ

大森元貴
即答しないで!




そう言いながら、
元貴が私の手を探して握る。




大森元貴
あなたの下の名前の手冷えすぎ

あなた
元貴が温かすぎる

大森元貴
じゃあずっとこうしてる?

あなた
仕事ある

大森元貴
休む?

あなた
そんな理由で有給使わない

大森元貴
“寒かったので、
彼氏の腕の中で春を感じてました”

あなた
即クビなる





元貴が少し黙り込んでから、
ニヤって笑って口を開く。







大森元貴
でも、僕寒い朝嫌いじゃないかも

あなた
え、なんで?

大森元貴
あなたの下の名前と距離近いから





朝からド直球すぎだろ。



自分でも顔が赤くなるのがわかる。
顔を布団に埋めて顔を隠す。


多分、顔から耳まで全てが赤い。






大森元貴
あ、照れた?

あなた
別に、寒いなぁと思って

大森元貴
耳赤いけど?






元貴が “ふぅん” って言いながら
くすくすっと笑う。





それからちょっと真面目な声音で言う。







大森元貴
最近さ?

あなた
うん

大森元貴
忙しくて、
朝ゆっくり出来なかったじゃん?

あなた
うん

大森元貴
だからこうやって、
くっついてゆっくり出来る時間好き





そう言いながら再びぎゅっと、
少し強く抱きしめられる。


やっぱり温かくて、
安心する。






大森元貴
寒いけど、


大森元貴
あなたの下の名前、温かい

あなた
さっき冷たいって言ってたじゃん

大森元貴
今は温かい




超都合いい言い草。

自分でもわかるぐらい手足冷たいけど。








あなた
ほら、そろそろ起きるよ

あなた
遅刻しちゃう

大森元貴
…あとちょっと



私の首元に顔を埋めて、
眠たそうな声でそう言う。




あなた
5分?

大森元貴
10分

あなた
長いなぁ





元貴は更に抱きしめる力を強める。



布団の中はぬくぬくしてて、
だんだん温かくなってきた。


でも、外はきっと寒い。








あれから、だいぶ時間が経って
遅刻しそうな時間。





“まぁいっか”

って心の中で呟く。






春に裏切られた朝。
遅刻しそうな朝。




それでも、
元貴から離れたくないって思う自分がいた。





















ひより
ひより
ハッピーエンド書いたよ~



ひより
ひより
てか、最近ほんと寒いよね
ひより
ひより
もう3月っすよ???



ひより
ひより
やっと温かくなってきたなぁって
考え始めてた私がバカだった




ひより
ひより
春さん。
花粉だけ置いて
どっか行かないでください(

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