第6話

追跡
753
2021/12/08 16:09
―鬱side


一瞬時間が止まる

バレた?
いや、まだそうとは限らない
とりあえずとぼけるか
鬱先生
鬱先生
へ?
なんでそう思うん?
と、間抜けな声で問いかけてみる
すると、ロボロはとても複雑そうな顔をして
ロボロ
ロボロ
いや、……
特に理由は無いんや
ロボロ
ロボロ
無いんやけど……
と、言う

こいつは勘が鋭すぎるから困る
こういう時は沈黙して周りに任せるのが一番や
そうすればいい感じに誤魔化せる
グルッペン
グルッペン
なんとなくってことか?
ロボロ
ロボロ
あぁ、
そう、こんなふうにな




だけど、ずっと黙っていたトントンの一言で状況が一変した
トントン
トントン
なんか言ったらどうや?
鬱先生
鬱先生
え?
トントン
トントン
え?ちゃう
お前は立場が悪くなると黙ってその場を乗り切ろうとするやろ
トントン
トントン
今黙ってるってことはなにか自分にとって都合の悪い状況ってことなんとちゃうんか?
正直驚いた

まさかそこがバレるとは思っていなかった

だが、まだここで認める訳にはいかない
何とかして誤魔化さなければ

さすがに、一気に5人・・にバレる訳には行かへんな……

まずはあそこの2人も呼ぶか
鬱先生
鬱先生
んーと、
とりあえず扉の前の2人は出てきてくれるか?
鬱先生
鬱先生
チーノ・・・ショッピ・・・・








(1時間ほど前)


[チーノの部屋]


ワイは今、チノさんの部屋でゲームをしている
けど今日は調子が悪いみたいで中々勝てないでいる
負けっぱなんもつまらんしどうにかしてやめる方法はないやろか……
あ、せや
まだ出てない書類があったな
提出期限明後日やけど今出しに行くか
ショッピ
ショッピ
あー、、、
そういや書類提出すんの忘れてましたわ
チーノ
チーノ
あ、まじ?
ショッピ
ショッピ
はい
てことで出してきます
チーノ
チーノ
んー、暇やし俺もついてく〜
なんか余計なの来たけどまぁいいか
部屋に書類を取りに行ってそのまま総統室へと向かう

総統室前に着き、ドアをノックしようとした瞬間、トントンさんの怒鳴り声が聞こえてきた

びっくりして、チノさんと顔を見合わせる
チーノ
チーノ
な、なんや?
ショッピ
ショッピ
なんか、鬱兄さんが怒られてるっぽい?
チーノ
チーノ
あー、、、
それで納得してしまえるのも中々だがとりあえずこのまま入って行くのは気が引ける
ショッピ
ショッピ
とりあえず一旦離れるか?
チーノ
チーノ
せやなぁ
そう言って、ワイとチノさんはそこから離れ………
ショッピ
ショッピ
けど、なぁ?
チーノ
チーノ
うん
新人組
新人組
気になるよな
ってことで、部屋から出てきた鬱兄さんを尾行することになりました(←)







尾行している途中で気がついたことがある

それは、まず鬱兄さんが一般兵に悪口を言われていたこと
そして、それに気がついているのかは分からないが、鬱兄さんは特に気に止める様子はないこと
距離的に兄さんは気づかなさそうやな……
ガバガバやし

鬱兄さんは部屋に入っていく
チーノ
チーノ
さすがに怒られたあとは真面目に書類するんやな
ショッピ
ショッピ
すぐ出てきそうやけどな
チーノ
チーノ
それは草なんだが
そして案の定30分もしないうちに出てくる
ショッピ
ショッピ
ほらな(ボソッ)
チーノ
チーノ
く↑さ↓(ボソッ)
尾行を再開する

散歩をしながら物思いにふける鬱兄さん……
歳やな

だが、すぐにインカムがなる
微かに聞こえる声質的にグルッペンさんかな?

鬱兄さんは返事こそするものの、特に急ぐ様子もなくゆったりとした足取りで総統室へと向かって行く
チーノ
チーノ
兄さん急がんで大丈夫なんやろか?
ショッピ
ショッピ
んー、
またトントンさん辺りに怒鳴られそうやな
そしてやっぱり怒鳴られた‪w‪w‪w

だが、その後の会話がよく聞こえなかったのでチノさんと2人で壁に張り付いて中の様子を伺う

さすがにトントンさんでも気づかんやろと油断していた
まさか鬱兄さんにバレてまうとは思わんかったわ

ワイとチノさんは驚きながらも、言われた通りに総統室に入っていく

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