―鬱side
一瞬時間が止まる
バレた?
いや、まだそうとは限らない
とりあえずとぼけるか
と、間抜けな声で問いかけてみる
すると、ロボロはとても複雑そうな顔をして
と、言う
こいつは勘が鋭すぎるから困る
こういう時は沈黙して周りに任せるのが一番や
そうすればいい感じに誤魔化せる
そう、こんなふうにな
だけど、ずっと黙っていたトントンの一言で状況が一変した
正直驚いた
まさかそこがバレるとは思っていなかった
だが、まだここで認める訳にはいかない
何とかして誤魔化さなければ
さすがに、一気に5人にバレる訳には行かへんな……
まずはあそこの2人も呼ぶか
(1時間ほど前)
[チーノの部屋]
ワイは今、チノさんの部屋でゲームをしている
けど今日は調子が悪いみたいで中々勝てないでいる
負けっぱなんもつまらんしどうにかしてやめる方法はないやろか……
あ、せや
まだ出てない書類があったな
提出期限明後日やけど今出しに行くか
なんか余計なの来たけどまぁいいか
部屋に書類を取りに行ってそのまま総統室へと向かう
総統室前に着き、ドアをノックしようとした瞬間、トントンさんの怒鳴り声が聞こえてきた
びっくりして、チノさんと顔を見合わせる
それで納得してしまえるのも中々だがとりあえずこのまま入って行くのは気が引ける
そう言って、ワイとチノさんはそこから離れ………
ってことで、部屋から出てきた鬱兄さんを尾行することになりました(←)
尾行している途中で気がついたことがある
それは、まず鬱兄さんが一般兵に悪口を言われていたこと
そして、それに気がついているのかは分からないが、鬱兄さんは特に気に止める様子はないこと
距離的に兄さんは気づかなさそうやな……
ガバガバやし
鬱兄さんは部屋に入っていく
そして案の定30分もしないうちに出てくる
尾行を再開する
散歩をしながら物思いにふける鬱兄さん……
歳やな
だが、すぐにインカムがなる
微かに聞こえる声質的にグルッペンさんかな?
鬱兄さんは返事こそするものの、特に急ぐ様子もなくゆったりとした足取りで総統室へと向かって行く
そしてやっぱり怒鳴られたwww
だが、その後の会話がよく聞こえなかったのでチノさんと2人で壁に張り付いて中の様子を伺う
さすがにトントンさんでも気づかんやろと油断していた
まさか鬱兄さんにバレてまうとは思わんかったわ
ワイとチノさんは驚きながらも、言われた通りに総統室に入っていく
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!